巨大IT企業「マグニフィセント・セブン」がビジネスや社会にもたらす影響とは?

今日のビジネス環境を語る上で避けて通れないのが、いわゆる「マグニフィセント・セブン」と呼ばれる巨大IT企業の存在です。(マグニフィセント・セブン=通称「M7」

M7の影響力は、単に投資市場だけでなく、僕たちのビジネス、さらには社会全体にまで及んでいます。

今回は、この強力な7社がどのような影響を及ぼし、起業家である僕たちがどのように向き合うべきかについてお話しします。

目次

現代経済を牽引する巨人たちの実力

「マグニフィセント・セブン」とは、Apple、Microsoft、Nvidia、Amazon、Alphabet(Google)、Meta、そしてTeslaの7社のことです。

この呼称は、かつての西部劇映画「七人の侍」(原題「Magnificent Seven」)に由来し、まさに現代経済のフロンティアを切り拓く存在として名付けられました。そして、マグニフィセント・セブンを略して「M7」と表記されることもよくあります。

M7がどれほど巨大かというと、米国の主要株価指数であるNasdaq100の時価総額の実におよそ40%以上をこの7社が占めているのです。これは驚くべき数字です。

もしこれらの企業の株価に大きな変動があれば、それはNasdaq100指数全体、ひいては世界の経済全体に大きな影響を与えることを意味します。

投資家にとっては、ポートフォリオの多様化とリスク管理が極めて重要になります。しかし、起業家やスタートアップ経営者にとって、M7の存在は単なる投資リスクの問題ではありません。

M7はマーケットのトレンドを作り、技術革新を牽引し、新たなビジネスモデルの可能性を示しています。M7が何を目指し、どのような技術に投資しているのかを知ることは、自社のビジネス戦略を立てる上で非常に重要なヒントになるはずです。

我々のビジネスに潜む「M7リスク」への対策とチャンス

M7の巨大な影響力は、同時に中小企業やスタートアップにとってのリスクにもなり得ます。M7が参入する市場は、一瞬にして競争が激化する可能性がありますし、M7の提供するサービスに依存しすぎると、コントロールが効かなくなる可能性があるのです。

とはいえ、リスクばかりではありません。M7のプラットフォームやエコシステムを賢く活用することで、自社のビジネスを加速させる大きなチャンスも秘めています。

例えば、AmazonのEコマースプラットフォーム、Googleの広告ネットワーク、Microsoftのクラウドサービス(Azure)などは、スタートアップが迅速に事業を展開し、グローバルに展開するための強力なインフラとなり得ます。

重要なのは、M7を競合としてだけでなく、協業の可能性を秘めた存在として捉え、M7の動向から学び、自社のビジネスモデルにどう活かせるかを常に考えることです。

例えば、NvidiaがAI技術でリードしているなら、AIを自社のサービスにどう組み込むか、Amazonが物流ネットワークを強化しているなら、その配送網をどう活用するか、といった視点を持つことが大切です。

M7の力は、今後も拡大していく可能性があります。M7の存在が、他のビジネスに与える「光」と「影」を理解しつつ、どのように対応していくかが、これからのビジネスを成功させる鍵となるでしょう。

次回の記事では、このM7を含む大手企業が利用する「法人税戦略」と、それが僕たち中小企業に与える「不公平」について、さらに深掘りして解説します。

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この記事を書いた人

総合商社で中近東および中南米向けの機械輸出ビジネスに従事した後、大手コンサルティングファームにてディレクターとして日本企業および欧米企業のグローバルプロジェクトを担当。2012年よりロサンゼルスに活動拠点を移し、2人の仲間とともに「Exa Innovation Studio(EIS)」を創業。

現在は、EISで日米欧の新規事業開発に取り組むと同時に、2020年に創業した日本特有の天然素材と道具を組み合わせたウェルネスブランド「Shikohin」および新規事業育成ファンド「E-studio」の経営に従事 。

起業家の世界的ネットワークであるEntrepreneurs’ Organization(EO)のロサンゼルスおよびラテンアメリカ・チャプターのメンバーとして、多くの若手起業家のコーチングに取り組む。2016年よりアクセラレーター「Founders Boost」でメンターを務め、多くのスタートアップのアドバイザーを務める。

慶應義塾大学環境情報学部卒業。

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