世界はすでに動いている!サステナビリティ投資の広がりと身近な取り組み(連載:第2回)

前回の記事では、サステナビリティ投資の基本的な考え方と、先進的な取り組みの例として長坂真護氏を紹介しました。

今回は、サステナビリティ投資のグローバルな展開と、私たちの身近な場所での具体的な取り組みについて見ていきましょう。

目次

サステナビリティ投資の現状と世界的な動向

サステナビリティ投資は、世界中の投資家から高い関心を集めています。調査によると、77%の投資家が「興味がある」と回答し、半数以上が今後さらにサステナビリティ投資を増やす意向を示しているのです。

また、サステナビリティ投資に関わるファンドの規模も急速に拡大しており、過去5年間で運用資産額が2倍以上に増加。全体の投資額からすればまだ一部ですが、その成長率は注目に値します。

さらに、サステナビリティ投資は単なる社会貢献だけでなく、収益性も重視すべきポイントです。そのため、年金基金などの機関投資家も積極的に参入しています。 例えば、カナダの公務員年金基金やカリフォルニア州職員退職年金基金といった大規模な機関投資家も、サステナビリティを重視した投資戦略を採用しているのです。

若年層の関心と具体的な行動

特に若い世代は、気候変動問題に高い関心を持ち、自らの消費行動を通じて環境保護や社会貢献に参加しようとする傾向が強くなっています。

eコマース事業者の中には、「環境に配慮した配送」オプションを導入する動きも顕著です。具体的には、配送時に発生する二酸化炭素排出量をオフセットする仕組みを取り入れ、消費者が少額の追加料金を支払うことで、環境負荷の軽減に貢献できるようにしています。

身近なサービスにおけるサステナビリティへの取り組み

日常生活で利用するサービスにおいても、サステナビリティを意識した取り組みが増加しています。

クレジットカード会社

環境配慮型商品の購入時にポイント還元を行ったり、電気自動車の充電や古着購入時に割引を提供したりするサービスを展開。

大手ネット通販会社

環境問題に取り組む企業に投資する基金を設立するなど、積極的な取り組みの実施。

これらの例は、企業が少しずつではあるものの、地球環境のために具体的な行動を起こし始めていることを示しています。

次回予告

次回は連載の最終回です。サステナビリティ投資が今後のビジネスや私たちの生活にどのように影響を与えるか。筆者の個人的な見解も交えながら考察する予定です。

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この記事を書いた人

総合商社で中近東および中南米向けの機械輸出ビジネスに従事した後、大手コンサルティングファームにてディレクターとして日本企業および欧米企業のグローバルプロジェクトを担当。2012年よりロサンゼルスに活動拠点を移し、2人の仲間とともに「Exa Innovation Studio(EIS)」を創業。

現在は、EISで日米欧の新規事業開発に取り組むと同時に、2020年に創業した日本特有の天然素材と道具を組み合わせたウェルネスブランド「Shikohin」および新規事業育成ファンド「E-studio」の経営に従事 。

起業家の世界的ネットワークであるEntrepreneurs’ Organization(EO)のロサンゼルスおよびラテンアメリカ・チャプターのメンバーとして、多くの若手起業家のコーチングに取り組む。2016年よりアクセラレーター「Founders Boost」でメンターを務め、多くのスタートアップのアドバイザーを務める。

慶應義塾大学環境情報学部卒業。

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