フィアット通貨とは―新しい時代の通貨のカラクリを解説

今回は「フィアット通貨」についてお話ししようと思います。突然ですが、皆さんは「フィアット通貨」という言葉を聞いたことがありますか?


フィアット通貨とは、米ドル、ユーロ、英ポンドといった法定通貨を指します。

目次

フィアット通貨とは「法定通貨」のこと


フィアット通貨とは、政府や中央銀行によって価値が保証され、規制や管理がされている「法定通貨」のことです。日本円、米ドル、ユーロなど、世界中で使われている通貨はフィアット通貨にあたります。


金や銀などの実物資産に裏付けられることなく、それを支える政府の安定性や経済力によって成り立っています。「フィアット」の語源は、ラテン語の「命令」「指令」。要するに、政府や権威の「命令」によって価値を持つ通貨というわけです。


このフィアット通貨によって、現在の世界経済は支えられています。

通貨の歴史:物々交換から仮想通貨(暗号通貨)まで


フィアット通貨が登場する前、通貨のような役割を果たしていたのは物々交換や貝などでした。しかし、貝は偽造されやすかったため、偽造防止技術の進化とともに、各国政府が自国通貨を発行するようになりました。

そして、近年新たに登場したのが「仮想通貨」です。「暗号通貨」とも呼ばれるこれらの通貨は、ブロックチェーン技術を基盤としており、中央集権的な通貨発行機関を必要としません。その代表的なものがビットコインです。

ビットコインとは? 分散型暗号資産の一種


ネット上にビットコインが登場したのは2008年。「Satoshi Nakamoto(サトシ・ナカモト)」という謎の人物が「Bitcoin: A Peer-to-Peer Electronic Cash System」という論文を発表し、その後ビットコインの開発が始まりました。

このシステムでは、国家や中央銀行が貨幣を管理するのではなく、ネットワーク上で複数の管理機関が相互に認証し合う「ブロックチェーン」によって通貨が発行されます。


ビットコインには発行枚数の上限があり、最大でも2100万枚しか発行されないと決められています。金や銀は価値ある資産と考えられていますが、それは埋蔵量が限られているためです。無限に発掘できるのであれば、価値は持たないわけです。


ビットコインにも上限が設けられていることから、「デジタルゴールド2.0」と呼ばれ、価値が安定していると考えられるようになりました。

急激に成長するビットコイン


ビットコインや仮想通貨が成長する過程で、1ビットコインの価値も急激に上昇しました。例えば、僕が初めてビットコインを買ったときは、1ビットコインが300ドルくらいだったのですが、現在ではその価値が10万ドルを超えることもあります。この急激な価値変動に驚くと同時に、これからの時代、仮想通貨がますます重要な役割を果たすことが予感されます。


とはいえ、仮想通貨は「使いどころがない」と感じる人も多いかもしれません。実は、僕もそう考えていました。

ポイントやマイレージも資産


近年ではポイントやマイレージといった、フィアット通貨に代わる役割を果たしているものがすでに存在しますが、これらは、実質的に通貨のようなものです。お金を使うことでポイントが付与され、そのポイントで飛行機に乗ったり、ホテルに泊まったりできる仕組みは、すっかり人々の生活に浸透しています。「ポイ活」という言葉ががこれだけ広まっているのですから、ポイントやマイレージも立派な資産といえるでしょう。


既存のフィアット通貨に代わる新しい価値の登場により、今後、仮想通貨が実際にどのように使われるようになるのか、僕はとても楽しみです。


今後も通貨の仕組みについて少しずつお伝えしていきますので、興味のある方はぜひチェックしてください。

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この記事を書いた人

総合商社で中近東および中南米向けの機械輸出ビジネスに従事した後、大手コンサルティングファームにてディレクターとして日本企業および欧米企業のグローバルプロジェクトを担当。2012年よりロサンゼルスに活動拠点を移し、2人の仲間とともに「Exa Innovation Studio(EIS)」を創業。

現在は、EISで日米欧の新規事業開発に取り組むと同時に、2020年に創業した日本特有の天然素材と道具を組み合わせたウェルネスブランド「Shikohin」および新規事業育成ファンド「E-studio」の経営に従事 。

起業家の世界的ネットワークであるEntrepreneurs’ Organization(EO)のロサンゼルスおよびラテンアメリカ・チャプターのメンバーとして、多くの若手起業家のコーチングに取り組む。2016年よりアクセラレーター「Founders Boost」でメンターを務め、多くのスタートアップのアドバイザーを務める。

慶應義塾大学環境情報学部卒業。

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