ディズニーが手がけるシニア向けの“夢の街”とは?

近年、高級シニアコミュニティが注目を集めています。アメリカでは最高級のコミュニティにおいては入居費が200万ドル(約3億円)を超える施設もあり、富裕層の快適な老後を支えています。

実は、ディズニーも「物語のような人生」をテーマにした高齢者向けコミュニティを展開していることをご存じですか? 今回は、そのプロジェクトについて紹介します。

目次

高齢化社会で広がる「シニア向け高級コミュニティ」


カリフォルニア州パロアルトにあるVi at Palo Alto(ヴィ アット パロアルト)は、1ベッドルームタイプで約1.45ミリオンドル(約2.1億円)、3ベッドルームタイプでは7.6ミリオンドル(約11億円)と驚くべき価格です。さらに、月額利用料が200万円を超えることも珍しくありません。

参考URL:Vi at Palo Altoの価格


これらの施設は、単なる高齢者向け住宅ではなく、高級リゾート並みの設備とサービスを備え、快適な老後を過ごすための場所として富裕層の人気を集めています。

ディズニーが描く「ストーリーのある暮らし」


そんな中、ディズニーが手がける高齢者向けコミュニティ「Storyliving by Disney(ストーリーリビング・バイ・ディズニー)」が注目を集めています。

参考URL:Storyliving by Disney


Storyliving by Disney は、ディズニーリゾートの魅力を日常生活の中で楽しめるように設計された住宅プロジェクト。ディズニーならではの細部へのこだわりや独自の設備が盛り込まれ、住人同士の交流や新たな体験を通じて「人生の物語」を紡ぐことを目的としています。


このプロジェクトの第一弾として、2022年に「コティーノ(COTINO)」が発表されました。

ディズニーの新しいまちづくりの形「コティーノ」


「コティーノ」はセレブや富裕層の避暑地・隠れ家的な場所として有名なカリフォルニア州パームスプリングス近郊のランチョ・ミラージュに建設された、敷地面積は約24エーカー(約9万7000平方メートル、東京ドーム約2個分)ある広大な土地に建設されました。

約2000戸の住宅が建築される予定で、一戸建てやコンドミニアムの選択肢があります。

年齢制限はありませんが、55歳以上を対象とした居住エリアも用意されているんですよ。


また、敷地内にはショッピングセンターやレストラン、ビーチコミュニティ、ビジター向けエリアなどが整備され、中心には美しいラグーン(浅い海や湖)が広がります。ディズニーのテーマパークやクルーズライン部門が開発を担当し、まさに“夢のような街”を創り上げる計画です。


ディズニー・パークス・エクスペリエンス・プロダクツ部門のジョシュ・ダマロ会長は、

22世紀に向けた準備を進める中で、ディズニーの魔法を、場所を問わず届ける新たな方法として、ストーリーテリングの枠を超え、ストーリーリビングを広げています。


と語っています。


次回は、このプロジェクトの背景にあるディズニーの戦略について詳しく紹介します。

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この記事を書いた人

総合商社で中近東および中南米向けの機械輸出ビジネスに従事した後、大手コンサルティングファームにてディレクターとして日本企業および欧米企業のグローバルプロジェクトを担当。2012年よりロサンゼルスに活動拠点を移し、2人の仲間とともに「Exa Innovation Studio(EIS)」を創業。

現在は、EISで日米欧の新規事業開発に取り組むと同時に、2020年に創業した日本特有の天然素材と道具を組み合わせたウェルネスブランド「Shikohin」および新規事業育成ファンド「E-studio」の経営に従事 。

起業家の世界的ネットワークであるEntrepreneurs’ Organization(EO)のロサンゼルスおよびラテンアメリカ・チャプターのメンバーとして、多くの若手起業家のコーチングに取り組む。2016年よりアクセラレーター「Founders Boost」でメンターを務め、多くのスタートアップのアドバイザーを務める。

慶應義塾大学環境情報学部卒業。

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