これまで2回にわたり、米中間の関税合戦が中小企業にもたらす深刻な影響についてお伝えしてきました。まさに八方塞がりのような状況ですが、今こそこの危機を乗り越え、チャンスに変える必要があります。
日本企業との連携強化がカギ
そのカギとなるのが、「日本企業との連携強化」です。
私たちは、韓国・中国サプライヤーとの取引が困難になる中で、新たなパートナーとして日本のサプライヤーに注目しています。
なぜ日本なのか? そこには、コストや地理的な問題だけではない、いくつかの理由があります。
日本サプライヤーを選ぶ3つの理由
1.信頼性と高品質
日本の製造業、とくにパッケージング分野では、きめ細やかな仕事ぶりと品質へのこだわりが高く評価されています。不安定な時代だからこそ、「信頼できる品質」は何よりも大きな強みです。
2.コミュニケーションのしやすさ
国際取引では、言語や文化の壁が大きな障害になることもあります。その点、日本のサプライヤーなら、細かな仕様変更や緊急時にもスムーズな意思疎通ができるという安心感は大きなメリットでしょう。
3.真摯なパートナーシップ
日本企業には、単なる受発注の関係を超えて、相手の立場に立って真摯に問題解決に取り組む姿勢が根付いています。困難な時こそ、共に汗を流してくれるパートナーの存在は心強いものです。
危機をチャンスに変えるパートナー探し
私は4月初旬に日本に出張し、日本国内の梱包会社を飛び込み営業ならぬ、飛び込み購買で訪問し、信頼できるパートナー探しに奔走しました。
インターネットで検索し、電話をかけ、営業担当者と直接会い、社長とも面談し、サンプルを確認しながら条件を詰めていく――。地道な活動ですが、こうした“顔の見える”やりとりが信頼関係の礎となります。
日本企業の提示価格は、コスト面では中国や韓国企業と比較すると割高です。しかし、今最も大切なのは、不測の事態にも柔軟に対応し、共に乗り越えていける「信頼できるパートナー」を見つけることかもしれません。

日本連合で切り拓く新しい未来
今回の「タリフ危機」は、日本の中小・中堅企業にとっても新たなビジネスチャンスを生み出す可能性があります。アメリカ市場を目指す企業と、高い技術力と信頼性を持つ日本のサプライヤーが「日本連合」として連携することで、困難な時代を乗り越える活路が見えてくるはずです。
私たち中小企業は、変化を恐れず、危機の中から新たな可能性を見出していくことが求められているのではないでしょうか。