僕の妻は7月7日、七夕の日に生まれました。なんともロマンチックな誕生日だと思います。毎年、妻の誕生日は特別な日にしたいと決めているので、今年は豪華なリゾートで週末を過ごそうと計画していました。
ところが、ひとつ問題が浮上!妻の誕生日を祝う週末が、アメリカの独立記念日と重なってしまったのです。そのため、どこのリゾートも信じられないほど料金が高騰。「これは困った…」と考えた末、誕生日祝いを1週間前倒しすることにしました。
この“前倒し”が、忘れられないドタバタ劇と最高の思い出をもたらしてくれるとは、この時は思いませんでした。
空港で大ピンチ!息子の一人旅にまさかのハプニング
僕たちが夫婦水入らずで過ごそうと決めた週末は、13歳になる息子が一人で日本へ旅立つ日でもありました。
もともと妻が付き添う予定でしたが、諸事情により息子だけの旅になったのです。サンフランシスコ経由の成田行き航空券も手配して、万全の準備を整えていました……そのはずでした。
出発当日、フライトは朝8時。まだ夜も明けきらぬ朝5時に家を出て、空港へ。ユナイテッド航空のカウンターでチェックインをしようとした、その時です。
「申し訳ありません。18歳未満のお客様が一人で旅行される場合は、乗り継ぎ便をご利用いただけません。ご搭乗可能なのは、直行便のみとなります」
スタッフの説明を聞き、一瞬、頭が真っ白になりました。「えっ、今さら?そんなルール、いつからあったの?」と動揺しつつも、すぐに行動開始。
頼みの綱は、サンフランシスコから成田への直行便を運航する全日空(ANA)。カウンターに駆け込み、事情を必死に説明したところ、ANAのスタッフの方が本当に素晴らしい「神対応」をしてもらえました。
「私どもの説明が不足しており、大変申し訳ありませんでした。」と丁寧にお詫びくださり、その日の午後12時45分発、ロサンゼルス発成田行きの直行便チケットを手配し直してくれたのです。
この迅速で温かい対応のおかげで、無事に息子を日本へ送り出すことができました。ハラハラドキドキの数時間でしたが、息子を見送った時には、安堵とANAへの深い感謝で胸がいっぱいになりました。 こうして、計画通り、妻の誕生日を祝うための特別な週末が始まったのです。

憧れのリゾート「ザ・リゾート・アット・ペリカン・ヒル」
僕たちが向かったのは、「いつか二人で泊まりたいね」とかねてより話していた場所。オレンジカウンティのニューポートコーストに佇む、「ザ・リゾート・アット・ペリカン・ヒル(The Resort at Pelican Hill)」です。
ここは、イタリアのルネサンス建築家アンドレア・パラディオの思想にインスパイアされた、息をのむほど美しいリゾート。太平洋を見下ろす広大な敷地に、まるで地中海のヴィラのような建物が点在しています。
チェックインを済ませ、まずはそれぞれの時間を楽しむことにしました。
僕は友人のスコットさんと、ペリカン・ヒルが誇る36ホールのゴルフコースのうち、海沿いの「オーシャン・サウス・コース」へ。青い海と空、そして完璧に整備された緑のコントラストの中でのプレーは、まさに至福のひとときでした。
午後3時ごろ、妻と合流して向かったのは、このリゾートの象徴ともいえる「コロシアム・プール」。直径約41メートルという世界最大級の円形プールで、その名のとおり古代ローマのコロッセオを彷彿とさせる荘厳な雰囲気です。 プールサイドでカクテルを片手に他愛もない話をする時間は、慌ただしい日常を忘れさせてくれる何よりの贅沢だと感じました。

大きなチーズで仕上げる絶品リゾットと、夫婦で楽しむゴルフ
ディナーはリゾート内のイタリアンレストラン「Pelican Grill」を予約。ここでの体験も、また格別でした。
テーブルの横に運ばれてきたのは、巨大なパルミジャーノ・レッジャーノの塊。スタッフがそのチーズをダイナミックにくり抜き、熱々のリゾットを投入。チーズの器の中でキノコ入りリゾットを絡めて仕上げてくれます。


濃厚なチーズの香りとキノコの食感が織りなす絶妙なハーモニー。妻も「美味しい!」と目を輝かせていました。メインに頼んだリブアイステーキも柔らかくジューシーで、大満足のディナーでした。
一泊して迎えた翌朝は、妻と一緒にゴルフへ。昨日スコットさんと回ったのとは別の「オーシャン・ノース・コース」を二人でラウンド。共通の趣味をともに楽しめる幸せを、改めて噛みしめました。


息子のドタバタ劇から始まった週末も、終わってみれば最高の誕生日祝いとなりました。美しい景色に癒やされ、美味しいものを味わい、夫婦二人でゆっくり語り合う――ときにはこうして日常から離れ、心も体もリフレッシュする時間が大切だと感じます。
何より、隣で嬉しそうに微笑む妻の顔が見られること。それが僕にとって一番の原動力です。これからも、たくさんの素敵な時間を一緒に重ねていきたいと思います。