ホテルウェルネスの最前線へ─Shikohinの挑戦
【前編】では、コロナ禍を経て加速するホテル業界の「ウェルネスシフト」についてお話ししました。
人々がホテルに求める価値が、単なる宿泊から心身の癒しへと変化する中、この新たな潮流にいち早く着目し、ホテルホスピタリティ業界に革新をもたらそうとしている日本のブランドがあります。それが、今回ご紹介する【Shikohin】です。
Shikohinは、日々の暮らしに豊かさと上質さをもたらす「嗜好品」の概念を、心身の健康という「ウェルネス」の視点から再解釈し、質の高い製品を提供しています。Shikohinでは、日本古来の自然素材や伝統的な知恵を活かし、現代人のウェルネスをサポートする独自の製品ラインナップを開発してきました。
そして今、その製品と哲学を携え、ホテル業界という新たなフィールドへと本格的に乗り出そうとしているのです。

「マンデューカ」との奇跡的な出会い
Shikohinがホテル業界への参入を進める中で、我々にとって強力なパートナーとなるべく「運命的な出会い」がありました。それが、世界中のヨガ愛好家から絶大な支持を集めるヨガ用品のトップブランド、「マンデューカ(Manduka)」です。
実は、Shikohinのオフィスとマンデューカのオフィスは、偶然にも同じビル内に位置していたのです。この奇跡のような近さがきっかけとなり、両社の社長が顔を合わせる機会を得ました。
マンデューカは、ヨガマットやプロップス(補助具)において「最高峰」と称されるブランドです。その製品は、品質、耐久性、そして環境への配慮において世界中で高い評価を得ており、日本でもヨガインストラクターや熱心な実践者から絶大な人気を誇ります。
面会の席で、マンデューカが追求する「ウェルネスを通して人々の生活を豊かにする」という哲学と、Shikohinブランド自身が目指す「心身の調和と上質な体験の提供」というビジョンが深く共鳴することに気づきました。
互いの事業に対する情熱と、ホテル業界におけるウェルネスの可能性について語り合う中で、両社の社長はまさに「意気投合」。国境を越え、異なる分野でありながらも、同じ未来を見据える強力なパートナーシップがここに誕生したのです。

コラボレーションがもたらすホテルでの新たなウェルネス体験
この「Shikohin」と「マンデューカ」のコラボレーションは、ホテル業界にどのような新たな価値をもたらすのでしょうか。
まず、ホテルはゲストに対し、単なるフィットネスジムの提供に留まらない、よりパーソナルで質の高いウェルネス体験を提供できるようになります。
例えば、客室にマンデューカの最高品質のヨガマットや、Shikohinブランドが開発した、日本由来のキノコなどの天然素材をふんだんに使用したクリーンなマッサージクリームを常備。
これにより、ゲストはプライベートな空間で、いつでも気軽に本格的なリラクゼーションやボディケアを体験できるようになります。
これまで、多くのホテルではフィットネス関連のアメニティとして、「ペラペラのマット」のような、さほど品質が高くないものが提供されがちでした。
しかし、このコラボレーションにより、ホテルは質の高いウェルネス体験を求める現代の富裕層のニーズに応え、競合との差別化を図ることが可能になります。 客室や施設全体で、自宅以上のウェルネス体験を提供することで、ホテルのブランド価値は飛躍的に向上するでしょう。
未来を拓く、多様なパートナーシップ
Shikohinは、今回のマンデューカとの協業を皮切りに、ホテルホスピタリティ業界におけるウェルネスの価値提供をさらに加速させていく考えです。マンデューカとのパートナーシップは、その強力な第一歩に過ぎません。
僕らは、「ウェルネス」という大きな軸を中心に、美容、健康、食、体験など、多岐にわたる分野の企業やブランドと連携し、ホテルで提供されるサービスの質を飛躍的に高めていくことを目指しています。

日本の豊かな自然や伝統、そして最新の科学技術を融合させながら、ゲスト一人ひとりの心身の健康と幸福に貢献する、これまでにないホスピタリティの形を創造していくことになるでしょう。
ホテル業界は、単なる「泊まる場所」から「心身を癒し、再充電する場所」へと、その役割を大きく変えようとしています。
Shikohinとマンデューカ、そして今後生まれるであろう新たなパートナーシップが、この変革の最前線で、どのような未来を切り開いていくのか、ぜひ見守っていてください。