高級住宅街の行列店は、まさかの「掘っ立て小屋」!?カリフォルニアのローカルカフェ体験記

旅の楽しみの一つに「食事」があります。

ガイドブックに載っている有名店も良いのですが、僕が旅先で大切にしているのは、地元の人たちが普段使いするようなローカルなお店にふらっと入ってみることです。

今回は、アメリカのカリフォルニア州のお店を訪れたときの体験をお伝えします。そこで感じたのは、料理そのものの美味しさ以上に、地元で暮らす人々の「日常」と「穏やかな安心感」でした。

目次

高級住宅街で見つけた「行列のできる掘っ立て小屋」

僕が訪れたのは、ロサンゼルス近郊の高級住宅街として知られるニューポートビーチ。朝食をとろうと見つけたのが「Cappy’s Cafe」というお店です。

正直、外観は「掘っ立て小屋」のような、かなり年季の入った佇まい。ところが驚いたことに、平日の朝にもかかわらずお店の前には行列ができていたのです。

店内に入ると、お客さんのほとんどが地元の家族連れや年配の人たち。観光客らしき人は見当たらず、アジア人は僕たちだけでした。まるで、地域の人々の「朝の食卓」にお邪魔したような、そんな温かい空気が流れていました。

パンケーキとベーコンに詰まっていたのは「アメリカの安心感」

僕が注文したのは、パンケーキに卵2つ、そしてベーコンが添えられた、これぞアメリカン・ブレックファスト!という一皿。出てきた料理は、想像通りのすごいボリュームでした。

味は、日本の繊細で計算された美味しさとはやっぱり違います。良くも悪くも「アメリカ的」で、大味と感じる人もいるかもしれません。でも、決してまずいわけではないんです。

周りのお客さんたちが幸せそうにパンケーキを頬張る姿を見ていると、これが彼らにとっての「ソウルフード」なんだな、と感じました。それは、僕たち日本人に置き換えてみると、熱々のご飯と味噌汁に、納豆や焼き魚に感じる「あぁ、これこれ」という安心感と同じ種類のものなのでしょう。

バターとメープルシロップがたっぷりかかったパンケーキは、この土地で育った人々の心と体を満たす「いつもの味」なのだと、妙に納得してしまいました。

旅の醍醐味は「ローカルな日常」にあり

今回の体験で改めて感じたのは、その国の文化や国民性を知るヒントは、観光名所や有名店だけではなく、何気ない日常の中にこそ隠れているということです。

世界中で健康志向が高まり、日本の発酵食品などが注目されていますが、それとは別に、どの国にも人々が昔から慣れ親しんできた「ローカルな味」が存在します。それは、理屈抜きの「安心」を与えてくれる大切な食文化です。

もし海外旅行に行く機会があれば、ぜひチェーン店ではなく、地元の人で賑わう食堂やカフェのドアを開けてみてください。きっとそこには、ガイドブックには載っていない、その土地のリアルな日常と温かさが待っているはずです。

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この記事を書いた人

総合商社で中近東および中南米向けの機械輸出ビジネスに従事した後、大手コンサルティングファームにてディレクターとして日本企業および欧米企業のグローバルプロジェクトを担当。2012年よりロサンゼルスに活動拠点を移し、2人の仲間とともに「Exa Innovation Studio(EIS)」を創業。

現在は、EISで日米欧の新規事業開発に取り組むと同時に、2020年に創業した日本特有の天然素材と道具を組み合わせたウェルネスブランド「Shikohin」および新規事業育成ファンド「E-studio」の経営に従事 。

起業家の世界的ネットワークであるEntrepreneurs’ Organization(EO)のロサンゼルスおよびラテンアメリカ・チャプターのメンバーとして、多くの若手起業家のコーチングに取り組む。2016年よりアクセラレーター「Founders Boost」でメンターを務め、多くのスタートアップのアドバイザーを務める。

慶應義塾大学環境情報学部卒業。

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