年俸90億円超え!? アメリカのスポーツビジネスが桁違いな理由【後編】

前回の記事では、ロサンゼルスが「スポーツ天国」である魅力をお伝えしましたが、今回はアメリカの「スポーツビジネス」についてお話しします。

日本の常識では考えられないほど巨大な数字が動くのが、アメリカにおけるスポーツビジネスの世界。人気のあるスポーツのチーム収益や活躍している選手の年俸たるや、文字通り「桁違い」なのです。

目次

アメリカスポーツビジネスが巨大化する理由

アメリカのスポーツが巨大なビジネスとして成立している最大の理由は、その圧倒的な人気と、それを収益化する巧みな仕組みにあります。

特にアメリカンフットボール(NFL)は、もはや国民的な文化となっており、テレビ放映権料、グッズ販売、チケット収入など、あらゆる面で莫大な利益を生み出しています。その結果、チームも選手も、日本では考えられないような金額を動かすことができるのです。

NFL人気の実態と選手年俸の驚異的な数字

1)王者は野球じゃない?アメリカで最も熱いスポーツとは

「スポーツの王様」と言えば、野球を思い浮かべる人が多いかもしれませんが、実はアメリカでは、NFL(アメリカンフットボール)の人気が圧倒的なんです。

シーズンが始まると、毎週日曜日は家族や友人と集まってアメフト観戦をするのが定番。僕もシーズン中は応援チームの動向から目が離せなくなります。

野球が年間160試合以上あるのに対し、アメフトのレギュラーシーズンはわずか17試合。試合数が少ないからこそ、一試合の価値が非常に高く、国民的なお祭りのように盛り上がるのです。

2)1分で1000万円超え!NFL選手の驚きの年俸

NFLの人気を象徴するのが、選手の驚異的な年俸です。

例えば、人気チーム「ダラス・カウボーイズ」の司令塔であるダック・プレスコット選手は、年俸が約6000万ドル(約90億円)にもなります。これを試合時間で割って単純計算すると、フィールドに立っている1分間あたり約6万ドル(約1000万円)を稼いでいることになるんです。 昨年は怪我でシーズンの半分しか出場しなかったため、その価値はさらに跳ね上がりました。広告収入などを除いた純粋な年俸だけでこの金額ですから、そのスケールの大きさが分かるかと思います。

3)スポーツは巨大産業!日本とは違うビジネスの仕組み

これだけの高額年俸を払っても、チームの経営は揺らぎません。

先ほどのダラス・カウボーイズは、年間で1500億円以上を売り上げ、約800億円もの営業利益を出しています。日本のプロスポーツチームの多くが赤字経営に苦しんでいるのとは対照的です。

高額なテレビ放映権、スタジアムでの飲食やグッズ販売、スポンサー収入など、あらゆる要素が巨大なビジネスサイクルを生み出しています。選手に破格の報酬を支払えるのも、それ以上の利益を生み出す仕組みが確立されているからなのです。

NFLが生み出す桁違いの経済効果

ここまで述べたとおり、アメリカではスポーツが単なるエンターテイメントではなく、一つの巨大な産業として成り立っています。

その圧倒的なビジネス規模が、世界中から最高の選手を集め、ファンを熱狂させる原動力となっているのです。ロサンゼルスでスポーツ観戦をするときは、フィールド上のプレーだけでなく、その背景にある壮大なビジネスの世界に思いを馳せてみるのも面白いかもしれません。

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この記事を書いた人

総合商社で中近東および中南米向けの機械輸出ビジネスに従事した後、大手コンサルティングファームにてディレクターとして日本企業および欧米企業のグローバルプロジェクトを担当。2012年よりロサンゼルスに活動拠点を移し、2人の仲間とともに「Exa Innovation Studio(EIS)」を創業。

現在は、EISで日米欧の新規事業開発に取り組むと同時に、2020年に創業した日本特有の天然素材と道具を組み合わせたウェルネスブランド「Shikohin」および新規事業育成ファンド「E-studio」の経営に従事 。

起業家の世界的ネットワークであるEntrepreneurs’ Organization(EO)のロサンゼルスおよびラテンアメリカ・チャプターのメンバーとして、多くの若手起業家のコーチングに取り組む。2016年よりアクセラレーター「Founders Boost」でメンターを務め、多くのスタートアップのアドバイザーを務める。

慶應義塾大学環境情報学部卒業。

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