【第3回】世界を変える「長寿革命」10のトレンド——Apple WatchからAI、そして国家戦略まで

「長寿&健康寿命」を延ばすための技術革新は、今まさに世界中で加速しています。今回は、僕たちの未来のヘルスケアを形作る、「世界で起きている10のトレンド」の中から、特に重要なものをピックアップしてご紹介します。

テクノロジーの進化が、これまで不可能だった「病気の超早期発見」や「一人ひとりに合わせた健康管理」を現実のものにし始めているんです。

目次

日常が変わる!ウェアラブル機器とAIがあなたの専属コーチに

まず注目したいのが、ウェアラブル機器の日常化です。

Apple WatchやOura Ringといったデバイスが、睡眠の質や日々のストレスレベルを自動で記録し、「今日は少し休んだ方がいいですよ」と教えてくれる。そんな風に、健康管理が特別なことではなく、ごく自然な日常の一部になりつつあります。

この流れをさらに加速させているのが、AI(人工知能)の進化です。AIは、ウェアラブル機器が集めた膨大な健康データや最新の科学論文を分析し、あなただけに合った最適な食事や運動プランを提案してくれます。まさに、一人ひとりに専属の健康コーチがつくような時代の到来です。

薬の役割も進化する——大手製薬企業と美容ブランドの挑戦

医療の世界でも大きな変化が起きています。

例えば、GLP-1薬(オゼンピックなど)は、もともと第二型糖尿病の治療や体重管理を目的に使用されていましたが、近年では食欲抑制による減量効果や、代謝・活力の向上といった新たな可能性にも注目が集まってます。

この変化をチャンスと捉えて、Merck(メルク)やJ&J(ジョンソン・エンド・ジョンソン)といった大手製薬会社も、M&Aなどを通じて本格的に長寿市場に参入しています。

さらに、L’Oréal(ロレアル)やNestlé(ネスレ)といった美容や栄養ブランドも、「プロ・ロンジェビティ(長寿促進)」を掲げた商品開発に力を入れ始めました。

国も本気で動き出す!世界で広がる「健康寿命」政策

こうした動きは、民間企業だけにとどまりません。

イギリス、シンガポール、そして日本でも、国が主体となって国民の健康寿命を延ばすための「予防プログラム」を開始する動きが活発化しています。

これは「健康というテーマ」が、一個人だけの問題ではなく、医療費の削減など社会全体にとっても非常に重要になっていることの表れです。国が本気で後押しすることで、この市場の成長はさらに加速していくでしょう。

テクノロジーと社会が描く、新しい健康の未来

このように、僕たちの健康管理はテクノロジーと社会の変化によって、まさに革命的な変化の時を迎えています。そして、この大きな流れの中で、日本が世界をリードする分野があるのをご存知でしょうか。

最終回となる次回は、日本が打ち出す最先端技術について深掘りしていきます!

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この記事を書いた人

総合商社で中近東および中南米向けの機械輸出ビジネスに従事した後、大手コンサルティングファームにてディレクターとして日本企業および欧米企業のグローバルプロジェクトを担当。2012年よりロサンゼルスに活動拠点を移し、2人の仲間とともに「Exa Innovation Studio(EIS)」を創業。

現在は、EISで日米欧の新規事業開発に取り組むと同時に、2020年に創業した日本特有の天然素材と道具を組み合わせたウェルネスブランド「Shikohin」および新規事業育成ファンド「E-studio」の経営に従事 。

起業家の世界的ネットワークであるEntrepreneurs’ Organization(EO)のロサンゼルスおよびラテンアメリカ・チャプターのメンバーとして、多くの若手起業家のコーチングに取り組む。2016年よりアクセラレーター「Founders Boost」でメンターを務め、多くのスタートアップのアドバイザーを務める。

慶應義塾大学環境情報学部卒業。

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