時代を超えた人間関係のバイブル『人を動かす』再読で見えた普遍の原則(ブックレビューvol.1)

今回は、僕が定期的に読み返す「バイブル」とも言える名著について語りたいと思います。

それは、デール・カーネギーの『人を動かす』という一冊です。きっと、読まれた方も多いのではないでしょうか。自己啓発や人間関係論の古典として、あまりにも有名ですからね。

目次

なぜ今、カーネギーなのか?

「人を動かす」という表現は、なんだか操作的な印象を受けるかもしれません。

でも、この本の原題は How to Win Friends and Influence People

直訳すれば「いかにして友を得て、人々に影響を与えるか」。つまり、良好な人間関係を築き、ポジティブな影響力を発揮するための原理原則が書かれているんです。

変化の激しい現代において、ビジネスのノウハウやテクニックは次々と移り変わります。でも、人と人との関係性の本質は、そう簡単には変わりません。だからこそ、この本に書かれていることは、時代を超えて通用する「原理原則」として、今なお輝きを失わないのではないでしょうか。

『人を動かす』から学ぶ、人間関係の「基礎」

この本でカーネギーが繰り返し説いていることは、実は非常にシンプルで、ある意味「当たり前」のことばかりです。でも、その「当たり前」を徹底できている人がどれだけいるでしょうか?

改めて読み返して、僕が特に重要だと感じた原則をいくつか挙げてみます。

批判・非難・不平を言わない

人は誰しも、自分を正当化したい生き物。批判は相手の自尊心を傷つけ、反発を招くだけです。まずは相手を受け入れる姿勢が大切。

重要感を与える

誰にでも「認められたい」という欲求があるもの。相手の良い点を見つけ、誠実に、具体的に褒めること。相手の心を動かすのは、お世辞ではなく、心からの承認。

強い欲求を起こさせる

自分の要求を押し付けるのではなく、相手の立場に立ち、「相手が何を求めているか」を考える。相手のメリットになる形で提案することが重要。

誠実な関心を寄せる

表面的な付き合いではなく、相手自身に純粋な興味を持つこと。名前を覚え、笑顔で接し、相手の話を熱心に聞く。こうした基本的な姿勢が信頼関係の土台を築く。

相手の立場に身を置く

自分の視点だけでなく、相手の視点から物事を考えるように努める。より深い理解と関係性を生み出すのは「共感力」

アメリカ社会に根付く「カーネギーイズム」か

アメリカで生活していると、この本に書かれていることが、まるで社会の「基本OS」のように根付いていると感じることがあります。

例えば、レストランのウェイターさんやゴルフ場のスタッフさんが、必ず名前を名乗り、笑顔で客の名前を呼んでくれること。

これは、単なるマニュアルではなく、「相手に敬意を払い、関心を示す」というカーネギーの教えが浸透しているからではないでしょうか。

「できるビジネスパーソンは、みんなこの本を読んでいるのでは?」とすら思えてきます。それほど、ここに書かれている原則は、人間関係構築の「王道」であり、実践すれば確実に効果が出るものなのです。

永遠の名作たる所以

『人を動かす』は、小手先のテクニック本ではありません。人間性の深い洞察に基づいた、普遍的な原則が詰まっています。

リンカーンやロックフェラーといった偉人たちの具体的なエピソードも豊富で、説得力があります。

今、この記事を読んでいるあなたが、

であるならば、改めてこの本を手に取ってみることを強くお勧めします。

きっと、日々のコミュニケーションや仕事の進め方に、新たな視点と気づきを与えてくれるはずです。

『人を動かす』D.カーネギー著

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この記事を書いた人

総合商社で中近東および中南米向けの機械輸出ビジネスに従事した後、大手コンサルティングファームにてディレクターとして日本企業および欧米企業のグローバルプロジェクトを担当。2012年よりロサンゼルスに活動拠点を移し、2人の仲間とともに「Exa Innovation Studio(EIS)」を創業。

現在は、EISで日米欧の新規事業開発に取り組むと同時に、2020年に創業した日本特有の天然素材と道具を組み合わせたウェルネスブランド「Shikohin」および新規事業育成ファンド「E-studio」の経営に従事 。

起業家の世界的ネットワークであるEntrepreneurs’ Organization(EO)のロサンゼルスおよびラテンアメリカ・チャプターのメンバーとして、多くの若手起業家のコーチングに取り組む。2016年よりアクセラレーター「Founders Boost」でメンターを務め、多くのスタートアップのアドバイザーを務める。

慶應義塾大学環境情報学部卒業。

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