前回の記事では、「大富豪・大貧民」というキーワードから、現代社会の価値観について問いを投げかけました。
今回は、その問いをさらに深掘りし、ダライ・ラマの言葉や「生きがい」という概念を手がかりに、僕たちが目指すべき「価値観の革命」と、その先にある幸福のカタチについて考えていきましょう。
ダライ・ラマの逸話
ある時、ダライ・ラマ14世は「あなたの宗教は何ですか?」と問われ、「My religion is kindness. 私の宗教は優しさです」と答えたと言います。
この言葉は、特定の教義や宗派を超えた、普遍的な人間愛の重要性を示唆しています。それは、物質的な豊かさや社会的な地位ではなく、他者への思いやりや優しさこそが、人間としての根源的な価値であるというメッセージではないでしょうか。
この考え方は、僕たちが日々追求している「幸せ」のあり方にも通じます。もし、僕たちの「宗教」が「ハピネス(幸福)」であるならば、それは単に個人的な快楽を求めるのではなく、他者と共に喜びを分かち合い、共に幸せになることを目指す生き方なのかもしれません。

根底にあるべき「小さな幸せ」の積み重ね
「価値観の革命」とは、決して壮大な社会変革だけを指すのではありません。むしろ、僕たち一人ひとりの日常の中にある「小さな幸せ」を大切にし、それを積み重ねていくことこそが、その第一歩となるのではないでしょうか。
ほんの少しでもいい。毎日、誰かの笑顔に触れたり、美しい景色に感動したり、美味しいものを味わったり……。 そんなささやかな喜びを感じることで、僕たちの心は豊かになり、生きるエネルギーが湧いてきます。そして、そのポジティブなエネルギーは、周囲の人々にも伝播し、より大きな幸福感を生み出すことでしょう。
日本文化に根付く「調和とバランス」の精神
日本の文化には、古来より「調和」と「バランス」を重んじる精神が根付いています。それは、自然との共生や、他者との協調を大切にする心です。この精神は、現代社会が抱える様々な問題、例えば過度な競争や格差社会といった課題を解決するためのヒントを与えてくれるかもしれません。
「ホメオスタシス」という言葉をご存知でしょうか。これは、生体が内部環境を一定の状態に保とうとする働きのことを指します。僕たちの社会もまた、このホメオスタシスのように、調和とバランスを保ちながら、持続可能な発展を目指していく必要があるのではないでしょうか。日本の伝統的な知恵や習慣の中には、そのためのヒントが数多く隠されています。
幸福の意義を問い続けるべき
価値観の革命は、誰かが起こしてくれるものではなく、僕たち一人ひとりの意識の変化から始まります。ダライ・ラマの言葉や、日本の伝統文化に学びながら、自分にとっての真の幸福とは何かを問い続けることが大切です。
次回の記事では、現代社会が直面する「分断」という課題と、それを乗り越えるための具体的なアクションについて考えていきます。
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