全米最大級「食の見本市─Natural Products Expo West 2025」で体感した熱気と未来の予感(1/3)

毎年3月にアメリカのアナハイムで開催される、業界最大級のイベントに今年も参加してきました。

その名も「Natural Products Expo West 2025」。飲料や食品分野における最重要の見本市です。

今回は、その最新の参加レポートをお届けします。このイベントがなぜこれほど注目され、会場がどれほど熱気に包まれていたのか。そして、現地で予見した未来について触れていきます。

目次

開催地アナハイムとイベントの概要

今年の「Natural Products Expo West 2025」の開催期間は、2025年3月4日から7日でした。

場所は、カリフォルニア州アナハイムにあるアナハイム・コンベンションセンターで、これは毎年おなじみ。エンゼルスの元本拠地であり、世界初のディズニーランドがあることでも知られるこの場所のすぐ隣で、今年も食と健康に関する最新トレンドが集結しました。

世界中から訪れた来場者は、昨年と同規模の約7万人。出展企業は、約3200社だったとのこと。 食品や飲料だけでなく、サプリメントや美容・ホーム用品まで、ナチュラル&オーガニックをテーマにした幅広い製品が一堂に会し、その規模と熱気は圧巻でした。

なぜ高額な参加費でも人が集まるのか?

このイベント、実は参加するための費用が決して安くありません。

正規の参加チケットは、なんと2700ドル(約40万円)!それでもこれだけの人が集まるのには、ちゃんと理由があります。それは、この見本市が持つビジネス上の圧倒的な重要性です。

広大なアメリカにおいて、全州、いや世界中からバイヤー、小売業者(今年はアルディ、クローガー、ターゲットといった大手も参加)、メーカー、投資家などが参加するこのイベント。新規ビジネスの創出、最新トレンドの把握、そして業界ネットワーク構築のためには、最高のプラットフォームだと言って間違いありません。

特に変化の激しい食品・飲料業界では、ここでしか得られない情報、ここでしか出会えない人々がいます。市場のリアルな動きを肌で感じ、未来の方向性を見極める上で欠かせない場なのです。

会場の熱気と臨場感─試食・試飲だけじゃない体験がいっぱい

3200ものブースが最新製品をアピールして、通路は熱心な参加者で溢れかえり、会場の活気は今年も健在でした。

食品見本市の醍醐味である試食・試飲は、例年どおり大盛況。プロテインリッチなスナック、話題のプレバイオティックソーダ、ピスタチオ風味の斬新な製品など、最新トレンドを体感できます。とは言え、おびただしい数なので、とても全ては試しきれませんでした。

さらに今年は、単なる展示や試食に留まらないプログラムもあったので紹介します。

教育セッション

「Natural Products Business School」や「Climate Day」など、業界動向やサステナビリティについて学べるセッション。

体験型エリア

オーガニック製品に特化した「Fresh Ideas Organic Marketplace」や、音楽と試食で交流を深める初開催の「Expo West Block Party」など。製品を見て回るだけでなく、学び、交流し、体験する。イベント全体が、参加者にとってより多角的で価値の高いものへと進化している印象を受けました。

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次回の予告

今回は「Natural Products Expo West 2025」の概要と会場の雰囲気について、お伝えしました。

次回は、このイベントで見えてきた「2025年の食の最新トレンド」について、具体的に掘り下げていきます。昨年から続く流れ、そして新たに出てきた注目ポイントとは何か。どうぞお楽しみに!

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この記事を書いた人

総合商社で中近東および中南米向けの機械輸出ビジネスに従事した後、大手コンサルティングファームにてディレクターとして日本企業および欧米企業のグローバルプロジェクトを担当。2012年よりロサンゼルスに活動拠点を移し、2人の仲間とともに「Exa Innovation Studio(EIS)」を創業。

現在は、EISで日米欧の新規事業開発に取り組むと同時に、2020年に創業した日本特有の天然素材と道具を組み合わせたウェルネスブランド「Shikohin」および新規事業育成ファンド「E-studio」の経営に従事 。

起業家の世界的ネットワークであるEntrepreneurs’ Organization(EO)のロサンゼルスおよびラテンアメリカ・チャプターのメンバーとして、多くの若手起業家のコーチングに取り組む。2016年よりアクセラレーター「Founders Boost」でメンターを務め、多くのスタートアップのアドバイザーを務める。

慶應義塾大学環境情報学部卒業。

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