プリンシパル(信条)とプライオリティ(優先順位)

僕は最近、「プリンシパル」(信条)と「プライオリティ」(優先順位)の重要性を痛感しています。そこで今日は、この二つの概念について、グローバル起業家の視点から考察してみます。

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貴重かつ有意義な集まり

僕は、EO( Entrepreneurs’ Organization 起業家機構)アントレプレナーズ・オーガニゼーションという世界的な起業家ネットワークに所属しています。

その中でも特に貴重な存在が「フォーラム」と呼ばれる小規模グループです。ここでは、起業家同士が心を開いて、様々な問題と自分の過去における類似体験を共有し、打開策や解決案を話し合います。この経験の共有が自分の経営活動への気づきや、学び、成長などに大きな参考となるのです。

このフォーラムは、単なる会合ではありません。少なくとも僕にとってはそうです。毎月開催され、同じフォーラムのメンバーは必ず参加します。こんな書き方をすると、義務的な集まりを僕が嫌がっているかと誤解されそうですが全く逆です。僕にとっては、フォーラムの開催日が待ち遠しくて仕方ありません。

起業家や経営者は、従業員に相談できない悩みや不安を抱えることが多いもの。フォーラムは、そんな経営者同士が偏見なく素直に話し合い、互いにアドバイスし合える貴重な場です。ここでの議論は、常に新鮮な刺激と学びをもたらしてくれます。

目からウロコの指摘

そのフォーラムで、僕はつい最近、非常に重要な指摘を受けました。「Takeshi(僕のニックネーム)は、よく『ハブトゥー』(しなければならない)という表現を使うけれど、本当に大切なのは『ウォントゥー』(したい)じゃないのか」と。

この一言で、僕は「ハッ!」としました。まさにその通りだと思ったからです。しかし、単に「ウォントゥー!」と、思いつくままに行動するのは愚かなこと。ここで大切なのが「プリンシパル」(信条)です。

では、僕のプリンシパルとは何か? たとえば、以下のようなものが挙げられます。

信原威のプリンシバル

・地球環境と子供たちの将来に貢献する仕事に取り組む

・90歳まで健康で自立した生活を送れるよう、健康維持に努める

・家族と友人を最優先に考える

・心から取り組みたいと思うことにのみ注力する

・現在を生き、今を楽しむ

これらが、僕なりのプリンシパルです。

歴史上の偉人のプリンシパルに習う

かの有名な白洲次郎も、このプリンシパルの重要性をよく説いていたのだとか。

白洲次郎の時代より遥かに遡ると、織田信長は「人間 ( じんかん ) 五十年、下天 ( げてん ) のうちを比ぶれば、夢幻の如く なり」という唄を好んだといいます。

また、孔子は「五十にして天命を知る」という名言を残しました。

僕は現在52歳。
歴史を動かした偉人たちの言葉を胸に、これからは常にプリンシパルとプライオリティを意識して行動していこうと決めました。この記事は、その決意表明のつもりです。

EO member

プリンシパルを実現するためのプライオリティ

ここまでプリンシパル(信条)について書いて来ました。ただ、プリンシパルだけでは成果の最大化は期待できません。プリンシパルを掲げることの重要性を理解した上で、次に考えるべきは、それをいかに実現するかということ。そこで重要になるのが、プライオリティ(優先順位)です。

プライオリティを適切に設定してはじめて、限られた時間とリソースを効果的に活用できるようになります。重要なタスクに集中し、不要な作業を減らすことで、生産性が向上し、目標達成の可能性が高まるのです。

ビジネスにも人生にも重要な概念

プリンシパルとプライオリティ。この二つの概念は、グローバルビジネスの世界でも、個人の人生設計においても、極めて重要だと感じています。特に、常に新しい挑戦と決断を求められる起業家にとっては、この二つを意識することが必ずや成功の鍵となるはずです。

これまでの僕自身の経験から、明確なプリンシパルを持つことで、複雑な状況下でも迅速かつ適切な判断が可能になったのを実感しています。また、そのプリンシパルに基づいてプライオリティを設定することで、手持ちの資源を最適に配分し、効率的に目標に向かって前進することができたのです。

グローバル化が進む現代社会において、文化や価値観の違いを乗り越えてビジネスを展開するためには、自身のプリンシパルを明確に理解し、それに基づいて行動することはもはや不可欠。それは、ビジネスパートナーや顧客との信頼関係を築く上でも重要な要素となるでしょう。

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この記事を書いた人

総合商社で中近東および中南米向けの機械輸出ビジネスに従事した後、大手コンサルティングファームにてディレクターとして日本企業および欧米企業のグローバルプロジェクトを担当。2012年よりロサンゼルスに活動拠点を移し、2人の仲間とともに「Exa Innovation Studio(EIS)」を創業。

現在は、EISで日米欧の新規事業開発に取り組むと同時に、2020年に創業した日本特有の天然素材と道具を組み合わせたウェルネスブランド「Shikohin」および新規事業育成ファンド「E-studio」の経営に従事 。

起業家の世界的ネットワークであるEntrepreneurs’ Organization(EO)のロサンゼルスおよびラテンアメリカ・チャプターのメンバーとして、多くの若手起業家のコーチングに取り組む。2016年よりアクセラレーター「Founders Boost」でメンターを務め、多くのスタートアップのアドバイザーを務める。

慶應義塾大学環境情報学部卒業。

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