宝島を見つける旅の第一歩~新規事業成功への航海図Vol.1

新規事業の立ち上げは、未知の宝島を探す冒険に似ています。この冒険には勇気と知恵が必要ですが、適切な準備と戦略があれば、成功への道を切り開くことが可能です。

本記事では、新規事業成功への航海図の第一歩として、重要なポイントを解説します。

目次

宝島とは何か?

新規事業における「宝島」とは、世の中が求める新しい価値、つまり人々の満たされていないニーズを指します。このニーズを的確にとらえ、それに応えることで、事業は成長し、会社を、ひいては社会を豊かにすることができるのです。

宝島発見の第一歩。それは、消費者の視点に立つことが重要になります。単なる表面的な観察では駄目です。消費者の心理や行動パターンを分析し、潜在的なニーズを掘り起こすこと。人々が何を求め、何に不満を感じているのかを深く理解することができれば、宝島の発見はグンと近づくでしょう。

3つの重要な問い

宝島の探索をするには、以下の3つの問いを常に念頭に置いてください。

1.世の中の変化の中で、消費者の満たされないニーズは何か?

この問いは、市場の動向や社会の変化を敏感にとらえる力を要します。例えば、テクノロジーの進歩や環境問題への意識の高まりなど、さまざまな要因が消費者のニーズを形成しているからです。

2.消費者のニーズに対して、どんな独自の価値を提供できるか?

単にニーズを理解するだけでなく、それに対して他社にはない独自の解決策を提供することが何よりも肝心です。そのためには自社の強みや技術を生かし、創造的なアプローチを取ることで可能になります。

3.競合ではなく、なぜあなたの会社の商品・サービスが選ばれ続けるのか?

持続可能な競争優位性を確立することが、長期的な成功には不可欠です。これには、ブランド力、特許技術、顧客ロイヤリティなど、さまざまな要素が関わってきます。

すでに自社製品が選ばれている状況ならば、なぜ選ばれているのか。その理由を解明した上で自覚し、保持したりブラッシュアップしたりしましょう。逆に、競合他社ばかりが選ばれている状況であれば、競合の勝因をとことん研究してみてください。自社に足りないものが見えてくるはずです。

冷静な判断の重要性

新規事業を立ち上げる際、アイデアに対する情熱は重要ですが、それだけでは不十分です。市場のニーズとの整合性を検証してください。つまり、自分のアイデアが本当に世の中の求める「宝」なのかを見極める必要があります。

検証には、市場調査、競合分析、顧客インタビューなど、さまざまな手法を用いて客観的なデータを収集し、分析することが必要でしょう。また、小規模なテストマーケティングを行い、実際の市場反応を確認することも有効な手段としておすすめです。

宝島を探す航海は決して容易ではありません。しかし、正しい航海図(情報)と羅針盤(考え方)があれば、きっと真の宝島へとたどり着けるはずです。大切なのは、常に消費者視点を忘れず、市場の変化に柔軟に対応し続けることです。

次回は、宝島を発見するのに不可欠な「ニーズ」ついて解説します。お楽しみに!

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この記事を書いた人

総合商社で中近東および中南米向けの機械輸出ビジネスに従事した後、大手コンサルティングファームにてディレクターとして日本企業および欧米企業のグローバルプロジェクトを担当。2012年よりロサンゼルスに活動拠点を移し、2人の仲間とともに「Exa Innovation Studio(EIS)」を創業。

現在は、EISで日米欧の新規事業開発に取り組むと同時に、2020年に創業した日本特有の天然素材と道具を組み合わせたウェルネスブランド「Shikohin」および新規事業育成ファンド「E-studio」の経営に従事 。

起業家の世界的ネットワークであるEntrepreneurs’ Organization(EO)のロサンゼルスおよびラテンアメリカ・チャプターのメンバーとして、多くの若手起業家のコーチングに取り組む。2016年よりアクセラレーター「Founders Boost」でメンターを務め、多くのスタートアップのアドバイザーを務める。

慶應義塾大学環境情報学部卒業。

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