アメリカでビジネスをしているというと、なぜ日本ではなく海外を選んだのかと尋ねられることがあります。言葉や文化、価値観の違いがあることから、「海外でのビジネス立ち上げは敷居が高い」と感じさせるのかもしれません。
特に、起業先進国であるアメリカのマーケットは激戦。名だたる強者がひしめき合っています。その点、日本は起業家への支援環境に脆弱さはあるものの、海外に比べて起業しやすいといえるでしょう。それでも僕がアメリカを選んだ理由は3つあって、今回はそのうちの1つをお話しします。
アメリカの「褒めて育てる子育て」から受けた影響
「海外」という軸だと、父が新聞記者をしていたこともあって、僕はロンドンとニューヨークで幼少期を過ごしました。国が違うと、教育に関する考え方や環境はガラリと変わるわけですが、とりわけ影響を受けたのはアメリカです。
アメリカは「子供を褒めて育てる」というのがスタンダード。子どもが失敗しても責められることはほとんどなく、できたことをたくさん褒めながら、正しい方向へと導くことが当たり前に行われています。その環境が、僕にはとても合っていたのです。
アメリカ人の会話には、褒め言葉がたくさん登場します。しかも、とても自然に褒めてくれるので、褒められたと気づかないこともあるほどです。それほどに「褒められること」が日常的な社会の中で育つと、自然と自己肯定感が高くなります。
また、失敗しても責められることがないからか、チャレンジすることへのハードルも下がります。僕のチャレンジ精神は、アメリカの社会に育んでもらったといえるでしょう。
中学に上がるタイミングで日本に帰国し、進学校に入学したのですが、そのときから勉強漬けの毎日がはじまりました。これが僕にはつらかった。勉強が中心の生活も、それが当たり前な環境も、僕には合わなかったのです。
環境から受ける影響は大きい
僕は、本や勉強以外からもいろんなことを学びながら、自分で自分の道を見つけて生きてきましたが、きっとそれはアメリカの教育方針と環境が肌に合ったからでしょう。人は、環境からも大きな影響を受けます。
僕の家族にも、僕のようにたくさん褒めてもらってのびのびと過ごし、自分なりの道を見つけてもらいたい。そう願って、海外を選んだというわけです。
長くなったので、残りの2つの理由は別記事でお伝えしましょう。