著書出版の企画から発売まで 〜2年間のできごと〜【前編】

『ファウンダー思考』は、2023年12月19日に出版されました。本を書こうと思ってから出版するまで、約2年かかりました。


出版に漕ぎ着けるまでの経過を【前編】と【後編】の2本のポストでお伝えします。

目次

出版社探しの段階から難航

本の執筆を思い立ったのは2021年末のことです。

それから日本の出版社の中でもビジネス書に強みを持つ出版社の方々と打ち合わせをしました。企画書を持ち込んだのは、日経BPさん、フォーブス(Forbes JAPAN)さん、プレジデント社さん、の3社。役員や編集長など、3社におられる方々との関係があったからです。


ただ、出版については、なかなか首を縦に振ってくれませんでした。たしかに、僕は特に有名人ではないですし、何かきらびやかな肩書きを持っているわけでもない。現場志向で、地道に事業を作ってきた人間です。
おそらく出版社側も「果たしてこの人の本を出して売れるのだろうか」と疑心暗鬼だったのではないでしょうか。「この人は、本を1冊、書けるのだろうか」「面白いものを書けるのだろうか」とも思っておられたことでしょう。

今のトレンドに合わないテーマがネックになった

そのような中、僕の持つ情熱と今まで歩んできた経験や考えに可能性を見出してくれたのが、プレジデント社の太田執行役員と桂木編集長(桂木栄一氏)です。真摯にご対応くださって、私の日本帰国時には必ず時間を調整して、会って話をする機会を設けてくださいました。

discussion

しかしながら、「本を出そう」というところには、なかなか至りませんでした。

思い返せば、本の企画書を持ち込んだ2022年6月。最初の打ち合わせで、柏木編集長からは、率直にこう言われました。

「2000年あたりはビジネス書が受けたけれど、今はスピリチュアル本とか副業でどう儲けるかとか、あまり重たくない本が主流です」
「今後の日本、また次世代のビジネスマンや学生の将来に役立つことは素晴らしいし、私もぜひその様な本に取り組みたい。でも、あまりハードコアな本は売れない時代になっている」

桂木編集長が「ぜひ取り組みたい」とおっしゃったのには、理由があります。

たとえば、大前研一氏。国際的に著名な経営コンサルタントであり、経営や経済に関する多くの著書を出しておられます。『マッキンゼー成熟期の成長戦略』『ストラテジック・マインド』『ボーダレス・ワールド』など、初期の大前氏の著書は、プレジデント社からも多く発売されています。

つまりプレジデント社は、新規事業や経営本において、高いプライド・矜持を持っておられるのです。

「ぜひやりたいんだけど、売れないんだよね、そういうの…」と言いながら、桂木編集長が苦い顔をしていたのを今も思い出します。

それでも何度か打ち合わせを重ねた末、ついに「その日」を迎えます。

続きは、【後編】へ


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この記事を書いた人

総合商社で中近東および中南米向けの機械輸出ビジネスに従事した後、大手コンサルティングファームにてディレクターとして日本企業および欧米企業のグローバルプロジェクトを担当。2012年よりロサンゼルスに活動拠点を移し、2人の仲間とともに「Exa Innovation Studio(EIS)」を創業。

現在は、EISで日米欧の新規事業開発に取り組むと同時に、2020年に創業した日本特有の天然素材と道具を組み合わせたウェルネスブランド「Shikohin」および新規事業育成ファンド「E-studio」の経営に従事 。

起業家の世界的ネットワークであるEntrepreneurs’ Organization(EO)のロサンゼルスおよびラテンアメリカ・チャプターのメンバーとして、多くの若手起業家のコーチングに取り組む。2016年よりアクセラレーター「Founders Boost」でメンターを務め、多くのスタートアップのアドバイザーを務める。

慶應義塾大学環境情報学部卒業。

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