【第2回】『Hiive』を分析し続ける理由はスタートアップの真の価値が見えるから

前回は、未来のスター企業が眠る未上場株取引所『Hiive』の概要についてお話ししました。

今回は、僕がなぜこのサイトを単なる取引プラットフォームとしてではなく、「市場の未来を読むための羅針盤」として分析し続けているのか、その理由を詳しく解説します。

株価の動きが語る、目に見えない「期待値」の正体

スタートアップの価値は、現在の売上や利益だけで決まるわけではありません。むしろ、「この会社は将来どれだけ成長するのか」という未来への期待値が、その価値を大きく左右します。

Hiiveの最も興味深い点は、この目に見えない「期待値」が、株価のリアルな上下動として可視化されることです。

僕のところにはHiiveの担当者から定期的にレポートが届きます。そこには「A社は9ドルで売りたい人がいるが買い手がつかず、別の売り手が8.5ドルに価格を下げた」といった生々しい情報が記載されています。

このように、企業の評価が日々ダイナミックに変動する様子を観察することで、「市場の熱がどこに向かっているのか」を肌で感じることができるのです。

大きくなりすぎたユニコーンが直面する「出口問題」

世界には、時価総額が数兆円規模の未上場企業が存在しますが、大きくなりすぎた企業には別の新たな課題が生まれます。

例えば、時価総額が1兆円を超えるような会社を買収できるのはどこかとなると、ごくわずかな企業に限定されるでしょう。

また、市場の期待を背負ってIPO(新規株式公開)するのも、簡単なことではありません。つまり、イグジットへのハードルが非常に高くなってしまうのです。

Hiiveは、こうした「大きくなりすぎて出口を見つけにくくなった企業」の株主に対して、投資資金を回収する新たな選択肢を提供しています。これは、スタートアップのエコシステム全体にとって非常に重要な役割だと言えるでしょう。

未来予測の精度を上げる「破壊者」たちの先行指標

僕がHiiveを分析する最大の目的は、各業界で次に何が起こるかを予測するためです。企業が上場してからニュースで知るのでは、もう手遅れですから。

Hiiveにリストされている急成長企業が、どのようなビジネスモデルで、どのような技術を使い、既存の巨大企業のシェアを奪っているのか。その手法を詳しく分析することで、数年後の業界地図が見えてきます。

Hiiveは、スタートアップのリアルな価値と市場の未来を読むための、現時点で最も優れたツールの一つです。


次回は最終回として、このHiiveから得られる情報を、僕たちがどうやって自分たちのビジネス戦略に活かしていくべきかの具体的な方法についてお話しします。

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この記事を書いた人

総合商社で中近東および中南米向けの機械輸出ビジネスに従事した後、大手コンサルティングファームにてディレクターとして日本企業および欧米企業のグローバルプロジェクトを担当。2012年よりロサンゼルスに活動拠点を移し、2人の仲間とともに「Exa Innovation Studio(EIS)」を創業。

現在は、EISで日米欧の新規事業開発に取り組むと同時に、2020年に創業した日本特有の天然素材と道具を組み合わせたウェルネスブランド「Shikohin」および新規事業育成ファンド「E-studio」の経営に従事 。

起業家の世界的ネットワークであるEntrepreneurs’ Organization(EO)のロサンゼルスおよびラテンアメリカ・チャプターのメンバーとして、多くの若手起業家のコーチングに取り組む。2016年よりアクセラレーター「Founders Boost」でメンターを務め、多くのスタートアップのアドバイザーを務める。

慶應義塾大学環境情報学部卒業。