トランプ大統領の隣にいつもいる、背の高い男性に気づいたことはありますか。
彼の名前はジャレッド・クシュナー。トランプ氏の娘イヴァンカの夫であり、2016年の大統領選を勝利に導いた最大の立役者です。
彼は、単なる「娘婿」ではありません。世界を驚かせたあの大番狂わせの裏側には、彼の緻密な計算とSNS戦略がありました。
表舞台からは見えにくい彼の凄み、そしてエリートらしからぬ意外なバックグラウンドに迫ります。
30代のデジタル戦略家は第一次政権誕生の立役者
トランプ氏が初めて大統領の座を勝ち取った2016年の選挙戦。多くの専門家が対立候補ヒラリー氏の勝利を確信していた中、番狂わせが起こりました。
この勝敗を分けたのが、当時30代半ばだったクシュナーのSNS戦略です。FacebookやTwitter(現X)を駆使し、ターゲットを絞った広告戦略を展開。既存メディアが届かない「声なき層」に、トランプ氏の人間味と熱量を直接届けることに成功しました。
SNSという武器で草の根運動を巻き起こし、トランプ旋風を生んだのです。彼は現代の選挙戦におけるデジタル戦略のパイオニアと言えるでしょう。

エリートに見えて、実は苦労人
ジャレッド・クシュナーの外見は、完璧な貴公子そのもの。父親も不動産王という裕福な家庭に育ちました。けれど、彼の人生は決して順風満帆ではなかったのです。
実は父親が脱税や証人買収などの罪で実刑判決を受け、刑務所に収監された過去があるのです。クシュナー自身も、若くして不動産ビジネスの修羅場をくぐり抜けてきました。
トランプ氏も同様に、破産寸前まで追い込まれた経験があります。二人に共通しているのは、きれいごとの世界ではなく、刑務所や破産といったギリギリの淵を見たことがあるという「泥臭い強さ」です。
この経験が、彼にただのエリートとは違うしたたかさを与えました。人々が何を求めているのか、どうすれば心を動かせるのかを本能的に理解している。
この「ひとくせあるエリート」という特殊なキャラクターが、トランプ氏をも惹きつけ、多くの人々に影響を与える源泉になっています。

第2次トランプ政権で姿を消した理由
2024年の選挙戦やその後の組閣で、クシュナー氏やイヴァンカ氏の姿は以前ほど目立ちませんでした。第1次政権では大統領上級顧問としてホワイトハウスの中枢にいたのに、今回はあえて距離を置いているように見えます。
とはいえ、彼の影響力がなくなったわけではありません。むしろ彼は、政治の表舞台で得た人脈と名声を、次のステージ──「ビジネス」へと完全に移行させたのです。
2021年の政権交代後、彼はすぐに動き始めました。トランプ氏の威光と自身の実績を背景に、次なる巨大な計画を着々と進めていたのです。
彼はもう、大統領の横で微笑むだけの存在ではありません。政治の世界で頂点を極めた彼が、今度はビジネスの世界でどんな怪物を目指しているのか──次回、その全貌に迫ります。

