これまで当たり前だと思っていた「価値観」や「考え方」が、大きな転換点を迎えているかも知れない……。今回は、そんな話題です。
話の発端は、シリコンバレーで絶大な影響力を持つ伝説的なベンチャーキャピタル「アンドリーセン・ホロウィッツ(Andreessen Horowitz)」。通称「a16z」です。
彼らの発信内容に照らしながら、僕たちが今どこに立っていて、これからどこへ向かうのかを一緒に考えていきましょう。
シリコンバレーの伝説「a16z」とは何者か?
まず、「a16zって何?いったい誰?」という方も多いかもしれませんね。
彼らは単なる投資会社ではありません。FacebookやAirbnb、Slack、GitHubなど、今や我々の生活に欠かせない巨大テック企業を、まだ小さな芽のうちに見出して育て上げてきた伝説のベンチャーキャピタルです。
創設者の一人であるマーク・アンドリーセンは、かつてインターネットの世界でマイクロソフトのビル・ゲイツと覇権を争ったブラウザ「ネットスケープ」の生みの親。まさに、インターネットの歴史を創ってきた張本人です。そんな彼らが発信する言葉だからこそ、世界中の起業家や投資家は常に耳を傾けます。
ちなみに「a16z」という少し変わった名前は、「Andreessen」の「A」と「Horowitz」の「z」の間の文字数が16文字であることに由来するのだとか。面白いですよね。
まさに時代の最先端を走る彼らが最近、「僕たちが生きる今の時代の思想は限界に来ている」と指摘し、大きな話題を呼んでいます。
僕たちが生きる「ポストモダン」という時代の正体
a16zが「限界に来ている」と指摘する、僕たちが生きる今の時代の思想。それが「ポストモダニズム」です。
哲学用語なので少し難しく聞こえますが、考え方はとてもシンプル。一言で言えば、「絶対的な正解なんてない。価値観は人それぞれ」という思想です。
かつて、科学や理性を信じ、「これが唯一の正しい道だ!」と進歩を目指した「モダニズム」の時代がありました。しかし、その反動で生まれたのが「本当にそれって正しいの?」「あなたの正解が、私にとっても正解なの?」と、あらゆる権威や大きな物語を疑うポストモダンの考え方だと言えます。
「みんな違って、みんないい!」。この考え方は、多様性を尊重する素晴らしい社会を築く上で非常に重要でした。しかし、その一方で、この思想が思わぬ“副作用”を生んでいるとa16zは指摘しているのです。
なぜ現代はフェイクニュースと批判に溢れているのか?
「絶対的な正解はない」「すべてを疑え」という考え方が行き着く先は、どこでしょうか?
それは、「何も信じられない」という社会です。
a16zは、ポストモダンの副作用として、現代社会が抱える3つの問題を挙げています。
「何が真実か」の基準が曖昧になり、SNSではフェイクニュースや陰謀論が溢れかえっています。誰もが自分の信じたい情報だけを信じる世界です。
「何を信じるか」よりも「何を疑うか」が評価されるため、建設的な創造や行動よりも、皮肉や批判ばかりが目立つようになりました。
過去の価値観を壊すことに夢中になるあまり、「じゃあ、次に僕たちはどんな社会を創るべきか?」という未来の物語を描ける人がいなくなってしまったのです。
思い当たることがあって、少しドキッとしませんか?
SNSを開けば誰かが誰かを批判し、何が本当の情報かわからなくなる。そんな息苦しさを、僕たちも日々感じているのではないでしょうか。
「疑う時代」の先に、僕たちは何を信じるべきか
a16zの指摘は、僕たちが無意識に受け入れてきた「ポストモダン」という時代の空気が、実は社会の停滞や混乱の原因になっているかもしれない、という鋭い問題提起です。
では、僕たちは、次に何を信じ、どんな未来を創っていけばいいのでしょうか?実は、a16zはその先の新しい時代の思想についても、明確なビジョンを提示しています。
次回は、まず「モダン」と「ポストモダン」の違いを、アートやメディアといった身近な例でさらに分かりやすく解説していきます。
僕たちの生活に、いかにポストモダンが根付いているかが実感できるはずですよ。お楽しみに!


