メキシコと日本の意外な共通点。文化や国民性の類似性を探る

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家族と先祖を大切にする文化

僕は最近、ラテンアメリカ地域で過ごすことが増えています。今年は、9月にメキシコ、4月はコロンビア、1月はエルサルバドルにいました。

中でも、急成長を遂げているメキシコのポテンシャルを肌で感じています。そんな中、メキシコと日本には意外な共通点があることに気づきました。

共通点の一つ目は、家族や先祖を大切にする国民性です。

ピクサー映画の「リメンバー・ミー」という作品はご存知でしょうか?物語の舞台はオアハカという街で、そこで行われる「死者の日」というメキシコの重要な祝日がモチーフとなっている映画です。

この日は亡くなった人の魂がこの世に戻ってくると人々は信じ、祭壇や墓を飾ります。国を挙げてのお祭りなので、仕事も学校も休みです。

日本のお盆とよく似ていると思いませんか?家族が集まって墓参りをしたり、祭壇を飾ったりして先祖を供養する点が共通しています。両国とも、先祖を大切に思う国民性が根付いているといえるでしょう。

オアハカの「死者の日」に飾り付けられたオフレンダ(祭壇)

器用さと丁寧さを重視する国民性

二つ目の共通点は、手先の器用さと仕事の丁寧さです。

メキシコでは、繊細な刺繍や織物、かご編みなどの手工芸品が豊富で、細部まで神経の行き届いた職人技が特徴です。また、「ハンディマン」と呼ばれる便利屋さんが多く存在し、器用な人材が重宝されています。

日本人も同様に器用で仕事が丁寧です。この点でも、メキシコと日本は共通しています。

スポーツ観戦における熱狂的な応援文化

三つ目の共通点は、スポーツ観戦時の熱狂的な応援文化です。

メキシコでは、サッカーと並んでルチャ・リブレというプロレス的な格闘技が人気です。僕も実際に観戦しましたが、その熱狂的な雰囲気たるや圧巻そのもの!ビールを飲んで酔っ払う人、好きな選手のマスクをつけて応援する人など、会場全体が一体となって盛り上がります。

ルチャ・リブレは、ヒーローとヒール(悪役)が戦って、最後はヒーローの勝利で終わるという予定調和的な展開が特徴です。たいていは2対2、あるいは3対3というチーム戦が基本。マスクをつけた覆面プロレスラーがほとんどですが、女性プロレスラーが参戦することもあります。

マスクをつけた筋骨隆々のルチャドール(ルチャ・リブレにおける選手の呼称)たちが、空中技を展開するアクロバティックな動きを見ていると、僕が幼い頃に大人気だったタイガーマスクこと佐山聡を思い出しました。1980年代の日本のプロレス文化を彷彿とさせる試合展開や雰囲気が、とても懐かしかったです。

ルチャ・リブレ観戦風景

他国に対する意識も共通している

メキシコと日本の類似点は、良い面だけではありません。

メキシコ人は、アメリカやヨーロッパに対して劣等感を持つ一方で、グアテマラやエルサルバドルなどの小国に対しては、上から目線の態度を取る傾向があります。

これは日本人にも共通している点です。特に過去の日本では、欧米に対しては迎合的である一方、東南アジア諸国に対しては優越感を持つ傾向がありました。

東洋の島国気質の日本と、陽気なイメージのラテンアメリカ系のメキシコ。この二つの国に、良くも悪くもこんなに共通点があるとは新鮮な発見です。

未来への展望

現在、アメリカと日本をまたぐクロスボーダーの仕事に取り組んでいる僕ですが、将来的にはアメリカ、日本、メキシコをまたぐようなプロジェクトを展開したいと考えています。

気質や得意分野が似ている国同士の融合から生まれるビジネスの可能性に、今から胸が躍ります。

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この記事を書いた人

総合商社で中近東および中南米向けの機械輸出ビジネスに従事した後、大手コンサルティングファームにてディレクターとして日本企業および欧米企業のグローバルプロジェクトを担当。2012年よりロサンゼルスに活動拠点を移し、2人の仲間とともに「Exa Innovation Studio(EIS)」を創業。

現在は、EISで日米欧の新規事業開発に取り組むと同時に、2020年に創業した日本特有の天然素材と道具を組み合わせたウェルネスブランド「Shikohin」および新規事業育成ファンド「E-studio」の経営に従事 。

起業家の世界的ネットワークであるEntrepreneurs’ Organization(EO)のロサンゼルスおよびラテンアメリカ・チャプターのメンバーとして、多くの若手起業家のコーチングに取り組む。2016年よりアクセラレーター「Founders Boost」でメンターを務め、多くのスタートアップのアドバイザーを務める。

慶應義塾大学環境情報学部卒業。

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