今回は、新商品のローンチを目前に控えたタイミングで、わが社(Shikohin)の出荷オペレーションが止まりかけた話です。
商品の発送と管理を委託している物流倉庫で在庫が行方不明になり、注文をいただいてから10日経っても商品が発送されない事態が発生。当然ですが、お客様からのクレームが届きます。もし逆の立場なら、僕も絶対に怒りますから。
幸い、問題はなんとか解決しました。そのやり方が、わが社と同じように、仕事の一部を外部パートナーに委託している方の役に立てばうれしいです。
倉庫を移転した途端、在庫が消えた

半年ほど前、わが社のプロダクト出荷業務を3PL(サードパーティ・ロジスティクス)への委託をスタート。3PLとは、受注後の在庫保管から梱包・発送までを代行してくれる物流の専門会社です。出荷量が増えて、うちのオフィスの一角ではさばききれなくなったのが外部委託へ切り変えた理由でした。
ところが3ヶ月前のこと。その会社が「より大きな倉庫に移転したい」と言ってきました。事業拡大に伴う前向きな移転だったので承諾したのですが、これが問題発生の要因でした。
どの商品をどの棚に置いたかというバーコードのスキャニングと、WMS(倉庫管理システム)への登録が、移転した先で正しく行われていなかったのです。在庫が広大な倉庫のどこにあるのか、システム上もはや誰にも分からない。20品目近くの商品が、文字通り迷子になってしまいました。
とてもきれいな新倉庫でしたが、見た目に反して、煩雑に混乱していたわけです。
自分で4時間歩き回って「もう無い」と言われた在庫を発見!
本来なら、この状況は「管理不足」だった倉庫側が責任を持って解決すべき問題です。こちらはそのための費用も払っているのですから。
ただ、単純に切り捨てるのは違うというのが僕の考えでした。
メールや電話で「早くしてくれ」「何とかしてくれ」と催促したり怒鳴ったりしたところで、現場は動きません。実際、新入の担当者が物流会社に何度もメールしていたようですが、問題は一向に片付きません。
「これは、自分で行ったほうが早いな」と、現場へ向かいました。
倉庫スタッフが「もう在庫は残っていません」と断言する中、僕はスタッフを巻き込んで4時間ほど現場を歩き回って、すべての在庫を見つけ出しました。この現場へのシャトル、1ヶ月の間に4回。
何か問題が起きたとき、すぐに自分の足で現場へ赴き、自分の手を動かし、自分の目で確かめなければ、誰も助けてはくれません。事業経営というのは、結局そういうことなんじゃないでしょうか。
たとえ信頼する部下がいても、お金を払っている外部パートナーがいても、最後の最期に頼れるのは経営者自身です。「「現場」「現物」「現実」という三現主義の重みを改めて噛みしめました。
ただ声高に訴えるより、黙って真剣さを見せる効果

配送遅延という問題は、契約至上主義のアメリカでは大きな損害につながりそうな印象があるかもしれません。商品が届かないのは、お客様にとって実害ですから。
もちろん契約書には、責任制限や免責の条項を入れています。でも、相手を訴えて別の物流会社を探すとなると、それはそれで大変な労力がかかります。
それなら、こちらの真剣さを態度で示して、問題の再発を防止するほうがずっと建設的です。メールで催促したり電話で怒鳴ったりせず、「僕らにとってこのビジネスは本当に大切だから、これほど真剣に取り組んでいます」ということを行動で見せました。
すると不思議なもので、物流会社側の姿勢や担当者のモチベーションも少しずつ変わってきたのです。「この会社をないがしろにはできない」と思ってもらえたのなら、4回も通った甲斐があります。
致命的な出血はひとまず止まり、今はいただいたご注文品は滞りなく発送できる状態に戻りました。見えてきた課題はほかにも山ほどありますが、ひとまず雨降って地固まってやれやれです。ここから、コツコツと一つずつ改善していきます。


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