今日は、ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)から飛び込んできた、ある衝撃的なニュースについてお話しさせてください。
今回、僕が注目した記事はこちら
https://www.wsj.com/business/hospitality/new-york-city-to-get-three-major-casinos-8479d8b0
僕自身、この記事を読んで思わず唸ってしまいました。そこには単なるビジネスニュースの枠を超えた、「人間の業(ごう)」とも言うべきドラマが隠されていたからです。
今日は、このニュースの裏側にある「勝者の正体」と「資本主義の恐るべきリアル」について、僕なりの視点で深掘りしていきます。
テーマは「ニューヨークのカジノライセンス争奪戦」
長年、ニューヨーク市近郊で「誰がカジノの権利を手にするか?」という激しいバトルが繰り広げられてきました。そしてついに、勝者となる3つの陣営が発表されたのです。
ラスベガスの超大手企業が勝つだろう……多くの人がそう予想していました。けれど、蓋を開けてみれば選ばれたのは意外な顔ぶれ。そして背後には、一筋縄ではいかない「怪物」たちの存在がありました。
ラスベガス勢、全滅! 選ばれた「意外な3社」とは?
まず、結果から整理しましょう。ニューヨーク州が発行する「伝家の宝刀」、最大3つのカジノライセンス。これを手にしたのは以下の3陣営です。
1.スティーブ・コーエン&ハードロック(場所:クイーンズ)
2.バリーズ(場所:ブロンクス)
3.リゾート・ワールド(場所:クイーンズ)
ここで驚くべきは勝者ではなく、「誰が負けたか」ということ。ラスベガスの象徴とも言える「MGMリゾーツ」や「シーザーズ・エンターテインメント」といった超巨大企業が落選してしまったのです。
タイムズスクエアのど真ん中にカジノを作るというシーザーズの夢も、ブルックリンを狙ったMGMの野望も、すべて散りました。
なぜ彼らは負け、誰がその座を奪い取ったのか?ここに、このニュースの最大の面白さがあります。
特に注目すべきは2つ。
・1つ目のライセンスを勝ち取った「スティーブ・コーエン」という男のこと
・2つ目のライセンスに深く関わる「ドナルド・トランプ」の影
彼らは、いわゆる「普通の人」ではありません。常識外れの富を持ち、時には法スレスレの際どい橋を渡り、それでも勝ち続ける……そんな「エゴイスト」たちなのです。

「汚名」を「大金」で洗う男、スティーブ・コーエンの執念
今回、最も注目を集めている勝者が、スティーブ・コーエンです。
彼は、MLB(メジャーリーグ)の「ニューヨーク・メッツ」のオーナーとしても知られていますが、その本職はヘッジファンドの帝王。「デイトレードの神様」とも呼ばれ、凄まじいリターンを叩き出してきた伝説的な投資家です。
しかし、彼には「ある暗い過去」があります。2013年、彼が率いていたファンドは、インサイダー取引の疑いで巨額の罰金を支払い、会社は閉鎖に追い込まれました。金融業界では「常に勝ち続けるが、手段を選ばない男」として、悪名も轟かせていたのです。
そんな彼が、なぜカジノなのか?
僕はこれを、究極の「イメージ・ロンダリング(評判の洗浄)」だと見ています。
想像してみてください。かつて犯罪スレスレの取引で叩かれた男が、今や市民に愛される「球団のオーナー」になり、さらに街に雇用と税収を生み出す「カジノ王」になろうというのです。
彼は、自身の莫大な富を使って、「社会的な名誉」を買い戻そうとしているのでしょう。
地元クイーンズの住民からの反対を押し切り、政治的な根回しを行い、最後にはライセンスを勝ち取る。「欲しいものは何としてでも手に入れる」。その執念深さ、そして目的のためなら手段を選ばない強引さ。
まさに、ウォール街を生き抜いた怪物の姿そのものです。
転んでもタダでは起きない! トランプ・ブランドの驚異的なしぶとさ
もう一つ、忘れてはならないのが「バリーズ」の勝利です。実は、このバリーズがカジノを建設する場所、元々は「トランプ・オーガナイゼーション」が所有していたゴルフ場なのです。
ご存知の方も多いと思いますが、ドナルド・トランプ氏はかつて、自身のアトランティックシティのカジノ(トランプ・タージマハルなど)をことごとく経営破綻させています。つまり、ビジネスマンとして、カジノ経営の才能はなかったのかもしれません。
しかし今回、彼は「場所を提供するだけ」で、推定1億7000万ドル(約250億円以上)もの巨額の利益を手にすることになります。
自分が経営して失敗したカジノ産業で、今度は他人に経営させて、自分は土地代とブランド料で確実に儲ける。
この「転んでもタダでは起きないしぶとさ」。 好き嫌いは別として、彼のビジネスマンとしての嗅覚、そして運の強さには、もはや脱帽するしかありません。
この世界で勝つのは「純粋な善人」ではないのかもしれない
今回のNYカジノ争奪戦で僕が痛感したのは、「巨大な富の争奪戦において、清廉潔白な善人が勝つことは難しい」という現実です。
インサイダー疑惑を乗り越え、球団とカジノを手にしたスティーブ・コーエン。
カジノ経営に失敗しても、土地転がしで大儲けするドナルド・トランプ。
彼らは、ある意味では「悪魔」のように見えるかもしれません。しかし、その強烈なエゴと執念、リスクを恐れない行動力が、資本主義というゲームにおいては最強の武器になるのです。
カジノの開業は2030年頃と言われています。その時、ニューヨークの街は、彼ら「怪物たち」の手によって、どのように変貌しているのでしょうか。
僕たち一般人には想像もつかない次元の話ですが、この「リアルな資本主義のドラマ」から目を離してはいけない。そう強く感じたニュースでした。


