アメリカで「痩せ薬のサポート食品」が続々登場。健康トレンドの光と影(食と健康のトレンド・後編)

前編では、米国最大級の自然派食品展示会「ナチュラルプロダクツ・エキスポ・ウエスト 2026」で確認した3つの継続トレンドを紹介しました。

後編では、今年新たに台頭した2つのトレンドについてお話しします。

「GLP-1」補完食品という新潮流

4つ目のトレンドとして驚いたのが、GLP-1関連の食品群です。GLP-1受容体作動薬とは、「オゼンピック」「ウゴービ」などの商品名で知られる痩せ薬のこと。食欲を抑制して体重を減らす仕組みで、アメリカでは爆発的に普及しています。

ただし、この薬には副作用があります。主な症状は吐き気や胃の不快感、そして筋肉量の低下。食べる量を抑え込んで痩せるので、決して「健康的な痩せ方」とは言えません。

ところが展示会では、このGLP-1を使っている人に向けた補完食品が次々と登場していました。食欲が落ちた状態でも効率よくタンパク質や食物繊維を摂れるスナック、消化をサポートするサプリメント、代謝を整える機能性食品、パッケージに「GLP-1フレンドリー」と明記した商品まであるほどです。

個人的に嬉しかった「マグネシウム」の躍進

5つ目のトレンドは「マグネシウム」です。ストレス軽減、安眠効果、筋肉疲労の回復。これらの効果が改めて注目され、サプリメントだけでなく飲料やスナックにまでマグネシウムを配合した商品が目立っていました。

これは僕にとって、ものすごく嬉しいニュースと言えます。なぜなら、僕たちは今、ミネラルを中心としたバスやボディケア商品の開発を進めているからです。

ミネラルは、マグネシウムやカリウム、カルシウムをふんだんに含有。つまり、マグネシウムへの注目が高まるということは、僕たちの事業にとって大きな追い風になります。

「薬に頼る」と「体を整える」の分岐点

ここで一つ、僕自身の考えを伝えておきたいことがあります。

GLP-1を補完する食品が流行っていること自体は、ビジネストレンドとして理解できます。でも、僕たちが開発しているデトックスクリームの思想とは、正直まったく真逆です。

僕たちが推奨しているのは、ミネラルをたっぷり使ったボディクリームでリンパマッサージをして、老廃物を排出すること。代謝を循環させ、免疫力のある体をつくること。薬で食欲を抑え込むのではなく、健康的な生活習慣そのものを変えていくアプローチです。

GLP-1で食欲を減退させた後には、高確率でリバウンドが発生するとも言われています。だからこそ、トレンドを把握しながらも流されず、自分たちの軸で商品開発を続けていくつもりです。

時代を見定める商品づくり

今年の展示会で見えた5つのトレンドをまとめると、昨年から継続して強化されたのが「プロテイン」「発酵食品(腸内フローラ)」「ウーマンズヘルス」。今年新たに注目されたのが「GLP-1補完食品」と「マグネシウム」でした。

すべての流行りに乗っかるのではなく、トレンドを睨みながら時代に合った商品づくりとプロモーションを進めていきます。


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この記事を書いた人

総合商社で中近東および中南米向けの機械輸出ビジネスに従事した後、大手コンサルティングファームにてディレクターとして日本企業および欧米企業のグローバルプロジェクトを担当。2012年よりロサンゼルスに活動拠点を移し、2人の仲間とともに「Exa Innovation Studio(EIS)」を創業。

現在は、EISで日米欧の新規事業開発に取り組むと同時に、2020年に創業した日本特有の天然素材と道具を組み合わせたウェルネスブランド「Shikohin」および新規事業育成ファンド「E-studio」の経営に従事 。

起業家の世界的ネットワークであるEntrepreneurs’ Organization(EO)のロサンゼルスおよびラテンアメリカ・チャプターのメンバーとして、多くの若手起業家のコーチングに取り組む。2016年よりアクセラレーター「Founders Boost」でメンターを務め、多くのスタートアップのアドバイザーを務める。

慶應義塾大学環境情報学部卒業。

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