僕がアメリカで展開しているウェルネスブランド「Shikohin」には、仕入れるたびに即完売してしまう商品があります。ホントに、売り出す度に瞬殺完売なんです。
何だと思いますか?温泉のミネラルを使ったバスタブレット? 薬草の香り漂うバスエッセンス?
いいえ、どちらでもありません。一番売れているのは「ヒノキ玉」です。
お風呂に浮かべる、丸い木の玉。温泉旅館で見かけた人もいるんじゃないでしょうか。日本人にとっては驚くほど珍しいとも思えないアイテムですが、アメリカではとんでもなく人気を集めています。

「シャワー大国」にあえて「湯船グッズ」を持ち込んだ理由
アメリカ人は、基本的にシャワーで済ませます。湯船に浸かる習慣はほぼゼロ。だから普通に考えれば、シャワー向けの商品を開発するのがセオリーです。
でも僕は、あえて逆を行きました。「お風呂」「湯船」を軸にした商品ラインで勝負したんです。
たとえば、日本の鬼怒川温泉から直接ミネラルを仕入れてアメリカに持ち込み、バスタブレットとして販売しています。メッセージはシンプルで、「日本に行かなくても、アメリカの自宅で温泉を楽しめますよ」というもの。
温泉のミネラルにはマグネシウムやカルシウム、カリウムが豊富に含まれていて、特にマグネシウムは睡眠の質にも好影響があるとされています。「夜に温泉気分を味わって、ぐっすり眠りましょう」という訴求です。
もう1つの看板商品が「バスエッセンス」。
よもぎをたっぷり使い、お湯に入れると乳白色に変わり、さらにヒノキのエッセンシャルオイルを加えた香りが広がります。よもぎには血液の循環を促す効果があるとされていて、日本や韓国では「よもぎ風呂」「よもぎサウナ」として昔から親しまれてきた素材です。
コンセプトには自信がありました。「日本人やアジア人の美しい肌を毎日メンテナンスできる」という切り口で、実際に高いレビュー評価をもらっています。
入浴中の「暇つぶし」から生まれたヒット商品
ただ、お風呂の効果を最大限に引き出すには、15分から20分は湯船に浸かる必要があります。メディテーションと同じで、ある程度の時間をかけないと体が温まりきらず、血液の循環も促進されません。
ここで問題が出てきます。「20分間、湯船の中で何するの?」と。
そこで目をつけたのがヒノキ玉でした。お風呂に浮かべて手で転がしたり、香りを楽しんだりしながら時間を過ごしてもらう「暇つぶしアイテム」として売り出したんです。
これが予想外の大当たり。仕入れるたびにあっという間にソールドアウトしてしまいます。
日本では温泉宿の定番グッズとして見慣れたものですが、アメリカ人にとっては完全に未知のアイテム。ヒノキの自然な柑橘系の香りも、「こんな香りのいい木があるのか」と魅力的なポイントのようです。
ちなみに、サイズ選びも重要で、小さすぎると売れません。手のひらにちょうど収まるくらいの大きさが求められます。

日本のサプライヤーを訪ね、ヒノキ玉風呂に浸かってきた
直近の日本出張では、神奈川県にあるヒノキ玉のサプライヤーを訪問してきました。
実際にヒノキ玉でいっぱいのお風呂に入りながら、追加の仕入れや今後の展開について打ち合わせ。浴室中にヒノキの香りが充満していて、これがもう最高でした。
この出張で改めて痛感したのは、「何が売れるかは本当にわからないな~」ということ。

精魂込めた商品より意外なものがウケる。これだからビジネスは面白い
僕は魂を込めてバスタブレットやバスエッセンスを開発してきました。成分にもこだわり、コンセプトも練り上げた自信作ばかりです。
もちろんどれもそれなりに売れてはいるのですが、仕入れるたびに瞬殺で消えていくのは、実はヒノキ玉なんです。
ビジネスにおいて、何がウケるかは出してみるまでわかりません。自分の予想や思い入れと、市場の反応は必ずしも一致しないから。だからこそ、試行錯誤しながらいろんな商品を出し続けることが大切なんだと思っています。
Shikohinはこれからも、日本の素材や文化をベースにしたアイテムをアメリカで届けていきます。次にバカ売れするのが何なのか、僕自身にもまだわかりません。でも、そのわからなさこそが、ビジネスの醍醐味です。



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