あらゆるサービスがAIで自動化され、効率化されていく現代。けれど、人が心から癒やされたり、「この人から買いたい!」と強く心が動いたりするのは、AIの完璧なセールストークでしょうか?
僕自身、AIの力にどっぷりハマり、その凄さを信じています。でも同じくらい「人の心を動かすのはAIではない」と確信してもいるのです。AI全盛期だからこそ圧倒的な価値を持つ、ウェルネスブランドの「超ドローカル・アナログ戦略」についてお話しします。
デジタルが極まるほど、人は「人の温もり」を渇望する
AIインフルエンサーが数百万フォロワーを集め、自律型AIエージェントが仕事を代行する時代。効率化の波は、もう止まらないでしょう。しかしその一方で、「本当に心を許せるつながり」や「深い信頼感」が社会から失われつつあると感じていませんか?
僕は現在アメリカで、Shikohinというウェルネスブランド事業を展開しています。AIの進化にワクワクしながら仕事にもプライベートにもAIをフル活用する毎日。でも、どんなにAIが優れたセールス文句を作ろうと、美しいAIモデルが商品をPRしようと、お客様の心の奥底を動かすのは難しいと痛感しています。
デジタルが極まれば極まるほど、人は「血の通った温もり」を求めるようになる。これは僕の実感であり、確信でもあります。
精神科医より深い絆?「体に触れるプロ」の圧倒的影響力
そこで僕が着目したのが、デジタル社会の対極にある「超ドローカル(超アナログ)」の口コミ戦略です。
きっかけは、僕が尊敬する友人の「カリスマ美容師」の存在でした。彼はハリウッドで映画関係者や資産家の髪を長年切り続けています。10年、20年と同じ人に髪を切ってもらうとはどういうことか。自分の身体の一部を委ね、1〜2時間の密室セッションで深いプライベートが交わされる。精神科医のセラピーよりもはるかにパーソナルな関係です。
完全に信頼し、自分の体に直接触れることを許しているプロフェッショナル。彼らの「これ、すごく良いよ」という一言は、どんなAIの分析データよりも強烈な購買意欲を生み出します。

エステティシャン×「わびさび」で紡ぐ超ドローカル・コミュニティ
この「人に直接触れるプロの信頼感」を、僕は自社ビジネスに組み込んでいます。現在、アメリカ各地のローカルエリアで、ブランドビジョンに共感してくれるエステティシャンのネットワークを構築中です。
単に商品を卸すだけではありません。月1回のオンラインミーティングで「生きがい(Ikigai)」や「わびさび(Wabi-sabi)」といった日本の精神性を共有。さらに年1回の日本リトリート(合宿・体験ツアー)に招待し、ブランドの魂を肌で感じてもらう、そんなコミュニティです。
誰もがAIで効率化を図れば図るほど、この逆張りのアナログ戦略は他が追随できない販売チャネルになります。
AI時代に本当に価値が爆増するのは、「人と人との究極の信頼関係」。テクノロジーの進化が加速する今だからこそ、その本質を見失わない経営が問われています。



