ポルトガル旅行記(前編)リスボンが予想以上に治安良好だった理由と、日本との意外な共通点

2025年9月。遅めの夏休みを使って、初めてポルトガルに行ってきました。目的地は首都のリスボンです。

正直に言うと、僕にとってのポルトガルって、歴史の授業で習った「鉄砲伝来」とか「ザビエル」、あとは「カステラ」くらいしか思い浮かばない国でした。

でも実際に訪れてみたら、想像とは全然違っていたんです。教科書の知識だけじゃ分からない、現地の熱気と心地よさに驚きました。

今回は前後編に分けて、実際に行って感じたポルトガルの魅力をたっぷりお伝えします。前編のテーマは「予想外の治安の良さと、日本とのつながり」についてです。

ユーラシア大陸の最西端リスボン

ポルトガルはスペインの隣、イベリア半島の西側にあります。地図で見ると、ユーラシア大陸の西の端。その先には、大西洋があるだけです。

リスボンの街を歩いて真っ先に驚いたのが、治安の良さでした。

ヨーロッパの観光地って、スリや置き引きへの警戒が必要なイメージがあります。ところがリスボンは、街全体の空気がとても穏やかなんです。もちろん最低限の注意は必要ですが、全体的に落ち着いた雰囲気があります。

なぜだろうと考えてみたんですが、これって「地理的な条件」が関係しているのかも知れません。

リスボンは大陸の「通過点」じゃなくて「目的地」なんですよね。他の国への移動のついでに立ち寄る場所じゃなく、わざわざそこを目指して来る場所。だから怪しい人が入り込みにくいし、犯罪も起きにくいんじゃないかと思います。

最近は「ゴールデンビザ」という制度の影響で、世界中から移住者が増えているそうです。物価も(最近は上がってきているらしいですが)他のヨーロッパ諸国に比べるとまだ安くて、料理も美味しい。

「住みやすい国」として注目されている熱気を、実際に肌で感じることができました。

小さな国が世界を変えた「大航海時代」の物語

リスボンに滞在しながら、改めてこの国の歴史について考えてみました。

ポルトガルという国は、決して大きくありません。国土面積は日本の約4分の1ほどです。この小さな国が、15世紀から16世紀にかけて世界を大きく変えました。いわゆる「大航海時代」です。

ヴァスコ・ダ・ガマのインド航路開拓、マゼランの世界周航、ブラジルの発見。当時のポルトガル人は小さな帆船で荒れ狂う大海原に乗り出し、世界地図を塗り替えていきました。調べてみると、日本との関わりもすごくドラマチックなんです。

1543年、種子島への鉄砲伝来。1549年、フランシスコ・ザビエルによるキリスト教伝来。

当時の日本は戦国時代の真っただ中。織田信長が活躍し始めた頃です。海を越えてやってきたポルトガル人がもたらした「鉄砲」というテクノロジーが、日本の歴史を大きく変えたのは間違いありません。

一方そのころのポルトガルは、「世界を広げる側」として全盛期を迎えていました。 ユーラシア大陸の東の端にある島国(日本)と、西の端にある小国(ポルトガル)。遠く離れた2つの国が、海を通じて交わった時代があったんだなと……。現地でその空気に触れて、なんだか胸が熱くなりました。

日本とポルトガルに共通する「不屈の精神」

歴史を深掘りしてみると、日本とポルトガルには不思議な共通点があることに気づきます。

たとえば、1755年にリスボンを襲った大地震。この震災で街は壊滅的な被害を受けましたが、そこから不屈の精神で復興を遂げました。今のリスボンの美しい街並みは、その復興計画によって作られたものです。自然災害と向き合い、そこから立ち上がる姿は、僕たち日本人とも重なる部分があります。

さらに、どちらの国も「海」と共に生きてきた歴史があり、そのため魚をよく食べる食文化も似ています。あとは、少しシャイで親切な国民性も。

初めて訪れた場所なのに、どこか「帰ってきた」ような懐かしさを感じるのは、こういった歴史的・文化的な背景が似ているからかもしれません。

歴史と治安について語ってきましたが、旅の醍醐味といえばやっぱり「街歩き」と「グルメ」です。

後編では、石畳が美しいリスボンの街並みや、絶品のイワシ料理、そして心に響く音楽「ファド」についてお話しします。

(後編へ続く)

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この記事を書いた人

総合商社で中近東および中南米向けの機械輸出ビジネスに従事した後、大手コンサルティングファームにてディレクターとして日本企業および欧米企業のグローバルプロジェクトを担当。2012年よりロサンゼルスに活動拠点を移し、2人の仲間とともに「Exa Innovation Studio(EIS)」を創業。

現在は、EISで日米欧の新規事業開発に取り組むと同時に、2020年に創業した日本特有の天然素材と道具を組み合わせたウェルネスブランド「Shikohin」および新規事業育成ファンド「E-studio」の経営に従事 。

起業家の世界的ネットワークであるEntrepreneurs’ Organization(EO)のロサンゼルスおよびラテンアメリカ・チャプターのメンバーとして、多くの若手起業家のコーチングに取り組む。2016年よりアクセラレーター「Founders Boost」でメンターを務め、多くのスタートアップのアドバイザーを務める。

慶應義塾大学環境情報学部卒業。