米イラン情勢を見て、23歳のとき中東で武装集団に囲まれた記憶が蘇った!

2026年2月28日。アメリカとイスラエルがイランへの大規模な軍事攻撃を開始しました。

ニュースを見た瞬間、僕の頭に鮮明に蘇ったのは、30年前の砂漠の記憶。あの日、銃を持った男たちに囲まれて「アメリカは好きか?」と聞かれたときの緊迫した空気でした。

30年前の「あの質問」が、今また聞こえる

前編で書いたとおり、1996年に僕はODAプロジェクトでイエメンに滞在していました。

砂漠で武装集団に囲まれ、「アメリカは好きか?」と問われたあの瞬間。23歳の僕が必死にひねり出した「いいところも悪いところもある」という曖昧な返答が、命を救ってくれました。

あれから30年。

世界の超大国アメリカが、今度はイランという国に「正義」の剣を振りかざしています。

ハメネイ最高指導者の死亡が報じられ、中東情勢は一気に緊迫しました。ホルムズ海峡の封鎖、原油価格の高騰――影響は世界中に広がっています。

でも、僕がこのニュースを見て最初に感じたのは、経済への心配ではありませんでした。「また、同じことが起きている」という感覚です。

先進国の「常識」は、中東には通用しない

イエメンで過ごした2ヶ月間で、僕は骨の髄まで思い知らされました。日本やアメリカで「当たり前」とされている価値観や常識が、まったく通用しない世界がある、ということを。

  • 病院に入る前に武器を預ける
  • 嗜好品のカートを噛みながら仕事をする
  • 短剣を腰に巻くのが正装

それは彼らにとっての「日常」であり、僕たちの物差しで測れるものではありません。

アメリカは「イラン国民のために」と言います。でも、宗教や歴史、文化の根が何千年も深く張った土地に、外から「こうすべきだ」と入っていくことは難しい。

あの砂漠で感じた空気――理屈ではなく、もっと根源的な「違い」の壁があるのです。

現場を知る者として、僕が伝えたいこと

僕はイエメンに行くまで、中東のことをほとんど知りませんでした。紀元前からの歴史も、イスラムの文化も、教科書の上の話でしかなかったのが正直なところ。

でも、あの土地に立って、現地の人々と向き合ったとき、頭で理解するのと肌で感じるのはまるで別物だと気づきました。

本音で書きましょう。

今回のアメリカの軍事介入に対して、僕は大きな危惧を感じています。文化や宗教の溝が深すぎる場所に、軍事力という「正義」を持ち込んでも、その溝は決して埋まらない。むしろ深まるのではないか。

アメリカは今回、大きな火傷を負うことになるのではないか、と感じています。

もちろん、僕は政治や軍事の専門家ではありません。ただ、若き日に中東の最前線に立ち、銃を向けられる側の空気を吸った一人の人間として、これだけは言えるのです。

世界には、僕たちの想像を超える「常識」で動いている場所があるのが事実。

これからも、アメリカ・イラン・イスラエルの情勢を注視しながら、アメリカ在住者ならではの情報をシェアしていきたいと思います。

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この記事を書いた人

総合商社で中近東および中南米向けの機械輸出ビジネスに従事した後、大手コンサルティングファームにてディレクターとして日本企業および欧米企業のグローバルプロジェクトを担当。2012年よりロサンゼルスに活動拠点を移し、2人の仲間とともに「Exa Innovation Studio(EIS)」を創業。

現在は、EISで日米欧の新規事業開発に取り組むと同時に、2020年に創業した日本特有の天然素材と道具を組み合わせたウェルネスブランド「Shikohin」および新規事業育成ファンド「E-studio」の経営に従事 。

起業家の世界的ネットワークであるEntrepreneurs’ Organization(EO)のロサンゼルスおよびラテンアメリカ・チャプターのメンバーとして、多くの若手起業家のコーチングに取り組む。2016年よりアクセラレーター「Founders Boost」でメンターを務め、多くのスタートアップのアドバイザーを務める。

慶應義塾大学環境情報学部卒業。