Shikohinが仕掛ける「エステティシャン・ネットワーク」の全貌(後編)

前回の記事で、Shikohinが「何をやって、何をやらないか」を決めるトレードオフ戦略についてお話ししました。では、その戦略を実際にどう動かしているのか。

今回は、僕たちが今まさに構築中の販売チャネル、「エステティシャン・ネットワーク」の具体的な中身をお伝えします。

「空中戦」と「地上戦」を融合させるチャネル戦略

Shikohinの販売チャネルは、大きく2つの軸で動いています。

ひとつは「空中戦」。公式ウェブサイト、Amazon、TikTokショップを通じたオンライン販売です。デジタルで認知を広げ、興味を持った人がすぐに購入できる導線を作る戦略です。

もうひとつが「地上戦」。こちらがShikohinの戦略の核心です。スパやホテルを通じた体験価値の提供。百貨店やウェルネス専門店でのリテール展開。そして法人ギフト。これらのリアルなチャネルを通じて、デジタルだけでは築けない「信頼のネットワーク」を構築していきます。

エステティシャンこそ「最強のインフルエンサー」である

前述の地上戦の主役が、各都市のエステティシャンです。

対象都市を決めるのに、アメリカの人口上位100都市を分析しました。「日本文化への親和性」「ターゲット顧客(ウェルネスや美容にお金をかける富裕層)の存在確率」などの基準で絞り込んだ結果、25都市を選定。

この25都市それぞれで、日本のウェルネス文化に共感するエステティシャンのコミュニティを作っていくのが、僕たちの「地上戦」のコアです。

なぜエステティシャンなのか

彼女たちは実際に顧客の肌に触れ、信頼関係を築いている人たちです。フォロワーが何万人いるインフルエンサーよりも、「あの人が薦めるなら間違いない」という口コミの力は圧倒的に強い。

しかもこの関係性は、時間と信頼の蓄積でしか作れないから、他社が簡単に真似できるものじゃありません。 各都市のエステティシャン・コミュニティが小さな「台風の目」となり、それらが連携することで全米規模の影響力ネットワークに育っていく。そんなワクワクする構想です。

大手チェーンとの交渉が前進

この戦略を絵に描いた餅で終わらせるつもりはありません。

先日、テキサス州ダラス近郊に本社を置く大手ビューティーチェーン「サリー・ビューティー(Sally Beauty)」のバイヤーと交渉を行いました。Sally Beautyは全米で3,000店舗以上を展開する業界最大手のひとつ。まずはテストケースとして50〜60店舗への導入に向けて話を進めています。

自らの足で25都市を回る旅、始まります

そして今月後半からは、選定した全米25都市を自分の足で回ります。現地のエステティシャンと直接会い、Shikohinの世界観を伝え、コミュニティの核となる仲間を見つけていく旅です。

AIの時代に、あえてアナログな信頼関係を軸にしたビジネスモデルを選ぶ。非効率に見えるかもしれません。でも、人と人のつながりでしか伝わらない「体験価値」こそが、Shikohinの一番の武器だと僕は信じています。


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この記事を書いた人

総合商社で中近東および中南米向けの機械輸出ビジネスに従事した後、大手コンサルティングファームにてディレクターとして日本企業および欧米企業のグローバルプロジェクトを担当。2012年よりロサンゼルスに活動拠点を移し、2人の仲間とともに「Exa Innovation Studio(EIS)」を創業。

現在は、EISで日米欧の新規事業開発に取り組むと同時に、2020年に創業した日本特有の天然素材と道具を組み合わせたウェルネスブランド「Shikohin」および新規事業育成ファンド「E-studio」の経営に従事 。

起業家の世界的ネットワークであるEntrepreneurs’ Organization(EO)のロサンゼルスおよびラテンアメリカ・チャプターのメンバーとして、多くの若手起業家のコーチングに取り組む。2016年よりアクセラレーター「Founders Boost」でメンターを務め、多くのスタートアップのアドバイザーを務める。

慶應義塾大学環境情報学部卒業。

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